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「こじはる」ブランドを買収した、30歳社長の思惑 yutori社長「細部に神を宿らせているブランド」

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 7時0分

これまでのM&Aは100%出資だったが、今回は51%。適度に自由な関係性の中でやっていくほうが、お互いにとってよい。買収しても「Her lip to」が今までやってきたことは変わらないし、こじはるさんもCCOとして在籍し続けるし、会社として自律的な意思決定をしてもらう。

上場以前まで親会社だったZOZOとの関係がすごくやりやすかったから、それを参考にした、というのもある。

――ZOZO傘下での自身の体験が今回の提携スキームにつながった?

M&Aしてから大きく事業が成長したケースは意外と少ない。それってよくないと思いますけどね。約束した期待値を買う側も買われた側も達成できないと「それ、筋通せよ」って。そこに対する憤りがあって、だから俺らも話題になったディールは成功させないといけないという思いがあった。

ZOZOはその俺らの熱意や反骨精神をくみ取ってくれた。自由に、放し飼いではないですけど、安心する後ろ盾になってくれたから、自分たちの若さを爆発させられた。

新しい世代で、ファッションにピュアな愛情があり、熱量を持って経済的に成長しようとしている会社は少ない。ファッション業界に支えられて成功したZOZOがそこを応援するのは、これまで紡がれた歴史の中でも美しい話として筋が通っている。

毎年1回は大きなアクションを起こす

――大手企業などへの株式売却は身売りととらえられて、自力での成長をあきらめたと受け取られることもあります。

それって短絡的で的外れ。そういうケースもあるかもしれないが、全部が全部そうじゃない。heart relation社はまだまだ伸びる。yutoriからも、インスタグラムのリールからどれだけ商品が売れたかといった実売マーケティングのノウハウなどを提供できる。現時点では、一緒に海外進出もできると考えている。

heart relation社単独だと、新しくブランドを作る立て付けも難しかったと思う。良くも悪くも期待感が大きくなりすぎるというか。その点、マルチブランドの当社と一緒になったことで、ブランド立ち上げや海外展開といった新しい挑戦をしやすくなると思う。

こうした事業提携を含めて、会社の印象が大きく変わるような大きなアクションを毎年して、つねに興味を持ってもらえるように成長し続けたい。

――上場してもうすぐ1年、投資家からのプレッシャーは感じますか。

自分たちも事業を伸ばしていかないといけないというプレッシャーがある状態でやっているから、別にそれと変わらない。

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