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沼津餃子って?地元民が熱狂する「中央亭」の謎 「クタッとした餃子」から感じた自信と誇り

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 9時50分

「中央亭」外観。店内飲食の営業が終わってもテイクアウトの受け取りに多くの客が訪れる(筆者撮影)

静岡で餃子といえば、やはり浜松。2023年の総務省家計調査によると、浜松市における餃子の1世帯あたりの年間支出額は4041円と宮崎や宇都宮を抑えて日本一。静岡どころか日本を代表する餃子といってもよいだろう。

【写真で見る】「中央亭」の餃子。焼いてからお湯を流し込んで“茹でる”

筆者も浜松餃子は何度も取材したし、プライベートでも幾度となく食べた。キャベツや玉ネギがたっぷりと入ったあっさりとした味わいゆえに、10個でも20個でもペロリと食べられる。浜松餃子が一番だろう。ずっとそう思っていた。

注文したその日に食べられない幻の餃子

ある日、編集担当からこんな話を聞いた

「グルメの友人からの情報ですが、沼津餃子ってご存じですか? もともとクタッとしているので持ち帰りでもおいしいそうで、友人いわく『日本一のご当地餃子』だそうです」

沼津餃子は初耳だった。浜松餃子や富士宮やきそばのようにご当地グルメで町おこしをする団体があるのだろうか。ところが、「沼津餃子」でネット検索してもヒットせず、画面に映し出されるのはJR沼津駅からほど近い「中央亭」という店の情報ばかり。この店に電話をして沼津餃子について聞いてみることにした。

「当店は沼津餃子と名乗ったことはありませんが……」と、どこか戸惑った様子が伝わってきた。とりあえず、店へ行って話を聞かせてもらうことにした。

【写真】お湯をなみなみと流し込んで茹でる驚きの調理法、フライパンで”茹で上がった”ばかりの餃子、からし油をつけて食す、肉々しい餡など

指定された時間は16時半。店へ入ると店員さんが忙しそうに厨房で餃子を焼いていた。奥の方では皮に餡を包んでいる姿もあった。営業はとっくに終わっているはずである。明日の仕込みをしているのかと思いきや、それは違った。

入れ替わり立ち替わり客がやってきては餃子を買っていく。テイクアウトの注文を受け取りに来たのだ。

「当日」に渡すことが難しい日もある

「ありがたいことに店内の飲食用の餃子は11時に開店して13時か13時半頃に、土曜日は12時前には売り切れてしまいます。お持ち帰りの注文も当日にお渡しするのが難しい日もあり、忙しい時はどうしても注文した翌日以降になってしまうこともあるんです」と、「中央亭」の社長、友田美千代さん。

えーっ! お昼に中央亭の餃子が食べたいと思っても、開店前から並ばなければありつくことができないということか。しかも、テイクアウトも受け取るのは翌日とは! 長いことグルメ取材をしているが、ここまで超絶人気の店は出会ったことがない。

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