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ZOZO、主催する米国ゴルフツアーから撤退?の真相 創業者前澤氏の鳴り物入りで始まり今年6年目

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 9時40分

ZOZOチャンピオンシップの1回目(2019年)。優勝者タイガー・ウッズと並ぶZOZO創業者前澤氏(写真:Chung Sung-Jun/Getty Images)

アメリカの男子プロゴルフツアーであるPGA「ZOZOチャンピオンシップ」が、11月24日からアコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県)で開催。本日、最終日を迎える。

【写真で見る】2021年のZOZOチャンピオンシップで優勝と飾った松山英樹選手

松山、石川、シャウフェレなどが登場

ZOZOチャンピオンシップは日本で唯一開催されているアメリカ・PGAツアーで、松山英樹のほか、コリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレ、ジャスティン・トーマス、リッキー・ファウラー、久常涼、石川遼、金谷拓実など、日本でもファンが多い選手が出場している。

今年で6回目となる大会で、1回目(2019年)の優勝者はタイガー・ウッズ。松山も3回目(2021年)に優勝を飾った。

ウッズはPGAツアー通算82勝目で、アメリカゴルフツアーに偉大な業績を残したゴルファー、サム・スニードが持つPGAツアーの最多優勝回数に並んだ。松山の優勝は、圧倒的な強さをもっての凱旋優勝で、熱狂したファンも多いだろう。

【写真5枚】2021年にZOZOチャンピオンシップの優勝を飾った松山、今年の松山を写真で見る

さて、このZOZOチャンピオンシップだが、大会は6年契約でスタートしており、来年以降の開催についてはまだ何も発表されていない。

日本の男子ゴルフツアー人気が低迷しているなかで、この大会は多くのギャラリーを集めている。実際、2023年に日本で開催された男子ゴルフツアーのなかでは、最多の2万9752人というギャラリー数だった 。

それだけ魅力的な大会ということだ。

選手にとってもまたとないチャンス

また、この大会には前週の日本オープンの日本男子ツアー(JGTO)賞金ランキング8位までの選手に出場資格が与えられているほか、この大会で優勝すれば、翌年のPGAツアーの出場資格や、マスターズなどのメジャー出場権も獲得できる。

昨今、日本人選手がPGAツアーへチャレンジできるハードルが高くなっているなか、またとないチャンスである。

この大会の今後はどうなってしまうのか。主催者の1つZOZOのマーケティング本部ゴルフ事業部ディレクター、畠山恩氏に取材した。

畠山氏は日本で開催されるZOZOチャンピオンシップ成功のために、毎年ほかのトーナメントに顔を出し、選手、エージェントに対して「秋のスケジュールはどうなっているか」「日本のファンが待っている」などと、アプローチしている。

ZOZOチャンピオンシップは、ZOZOとPGAツアーが主催する。ZOZOグループは、ご存じのとおりファッション通販サイトZOZOTOWN事業を主軸に事業展開している。

なぜ、ZOZOがPGAツアーを主催するようになったのかは、創業者の前澤友作氏によるところが大きい。実際、1回目の表彰式では、前澤氏が大会名誉会長として、優勝したウッズと共に出席している。

前澤氏が17のセレクトショップを集積したファッション通販サイトZOZOTOWNの運営を開始したのは、2004年。2007年に東証マザーズに上場し、2012年に第1部に市場変更している。2019年ヤフー株式会社(現・LINEヤフー株式会社)との資本業務提携を発表。前澤氏が退任し、後任として澤田宏太郎氏が代表取締役社長兼CEOに就任している。

ZOZOがPGAツアーの主催者になった理由について畠山氏は、「前澤氏のゴルフへの愛が強かったのはもちろんですが、ZOZOの持っているビジョンと、ゴルフの持っているビジョンが一致していることです」と話す。

「ZOZOロゴマークの〇△□には、みな形は違うが面積はみな同じで、『みんな違うけどみんな一緒』という考え方があります。ゴルフも年齢・性別を超えて同じフィールドで一緒に戦い楽しめるスポーツで、根本で理念が一致しています」

つまり、企業理念とゴルフへの思いが、ツアー開催の大きな動機といえる。なお、ZOZOが掲げている企業理念は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」である。

ノーコメントも言いたくない

来年以降の大会について畠山氏に聞くと、「何も言いません。ノーコメントも言いたくないです」とのこと。

では、継続の可能性について、PGAツアーのスケジュールから考察してみたい。

PGAツアーは、2025年のFedExCupレギュラーシーズン(1~7月)と、FedExCupプレーオフ(8月)のスケジュールを、すでに8月に発表している。一方、ZOZOチャンピオンシップが開催されている日程の10月を含む、9月以降のスケジュールはまだ発表されていない。

9月10日、日本で開催されたメディアセミナー で、PGAツアー・アジア太平洋社長のクリス・リー氏は、「毎年、日本でPGAツアーの試合を開催する」と発言したことが注目されている。日本はアメリカに次ぐ世界2番目のゴルフ市場であるため、PGAツアーにとっても重要な市場であることは間違いない。

もし、ZOZOが契約を継続しない場合、日本で大会を主催するスポンサーが別途、必要になってくる。

筆者の推定では、主催するには年間十数億円の費用が発生する。それを見越してもメリットが大きいと考える企業はどれだけいるのだろうか。

今現在、国内のゴルフツアーを主催する企業にはANA、パナソニック、サントリー、資生堂、ヤマハなどがある。

PGAツアーは世界が注目するツアーであり、主催者の社名・ロゴの露出は、グローバルで会社を知ってもらう、ブランド強化につながることは間違いない。プロアマ(プロと大会関係者、招待客が一緒にラウンドすること。大会の前日に行われることが多い)の活用によるビジネスの拡大なども考えられる。

さらに、日本企業がPGAツアーを主催することで、日本人選手が世界へ出ていく大きな後押しになる。

今回も、日本ゴルフツアー機構賞金ランキング上位8人(日本オープン終了時)、スポンサー推薦9人(日本人6人)があり、海外ツアーを主戦場としている松山英樹や久常涼を含めると、17人の日本人選手が出場する。

日本でプレーできる機会があれば

選手はZOZOチャンピオンシップの継続をどう見ているのか。

松山は、22日に行われた記者会見で質問を受けると、

「今年で契約は終わりだと思うんですけど、ほんとにたくさんのギャラリーの皆さんに来ていただいて、すごく良い思い出になった。来年からPGAツアーがどのようなスケジュールを組むかわからないが、また日本でプレーできる機会があればいいなと思う」

と答えている。

来年以降、ZOZOチャンピオンシップは開催されるのか、それとも他の企業が名乗りを上げるのか。どんな形であれ、日本でPGAツアーが開催されることを期待したい。

嶋崎 平人:ゴルフライター

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