自動車が「サイバー攻撃」の標的、何が起こるのか 運転の妨害も可能、業界のセキュリティ対策は
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 8時0分
車両以外の攻撃への対策は、一般的な企業セキュリティの延長で考えることができる。フィッシングメール対策、ランサムウェア対策、情報漏洩対策、サプライチェーン対策などに、特別なことはない。各社の規定や対策を実施するだけだ。
ただし、物流車両・公共交通など社会インフラとして自動車、および関連産業を見ると、テロの標的になる可能性を考えておく必要がある。自動車に関連するインフラとしては、高速道路や表示・標識、ナビゲーションシステム(GNSSなど衛星システム・地図データ)、バスやタクシー、トラックなどだ。
目的が金銭でなくても、テロの標的にはなりうる。個人の乗用車の制御を奪って脅迫したところで、事故になればお金を得ることはできない。だが、車両に要人が乗っていたら。トラックやバスなら十分にテロが成立する可能性がある。例えば、OTAで機能の追加削除ができる車は、メーカーの意向で車を動かなくする(文鎮化)ことが可能だ。海外では、ローン返済が滞った車両を遠隔で文鎮化するサービスが実験されている。
チェチェンの武装組織がテスラのサイバートラックを武装してウクライナに投入しようとした(サイバートラックのボディは防弾仕様になっている)ところ、テスラはその車両を文鎮化したという報道もある。こちらはテロを防いだことになるが、同じ機能は逆の使い方もできることを示している。
特定車両へのサイバー攻撃やサボタージュ(破壊活動)は、おそらく相当な事前準備(車両への接触含む)が必要で、攻撃コストも高い。あまり現実的ではないが、近年の社会情勢では楽観視することはできない。
中尾 真二:ITジャーナリスト・ライター
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
自動車サイバーセキュリティソリューション「VERZEUSE(R)」シリーズを拡充
PR TIMES / 2024年10月24日 17時15分
-
OpenText、2024年版「Threat Hunter Perspective」レポートを発表、国家とサイバー犯罪組織の連携による被害の拡大が明らかに
PR TIMES / 2024年10月22日 0時40分
-
総選挙を前に「日本企業を狙った」サイバー犯罪がさらに活性化...特に「狙われる」業界とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月19日 16時23分
-
盗撮される?「スマート家電」が乗っ取られる恐怖 家族の安全のために取るべき「ハッキング対策」
東洋経済オンライン / 2024年10月15日 9時0分
-
自動車サイバーセキュリティ技術で注目「韓国アウトクリプト」、ジャパンモビリティショー ビズウィーク2024出展へ
レスポンス / 2024年10月8日 16時15分
ランキング
-
1三菱電とアイシン、EV部品の合弁設立を撤回 業務提携に切り替え
ロイター / 2024年10月31日 15時22分
-
2セブン「上げ底疑惑」で社長発言がマズすぎた理由 言い方や、他企業との比較も悪手でしかなかった
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 18時10分
-
3《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン / 2024年10月31日 16時15分
-
4令和のバーキン? 今年も人気 ユニクロの1990円バッグ、秋冬向けに改良も「在庫ほとんどない」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月31日 11時20分
-
5ユニクロ、従業員の逮捕を謝罪「多大なご迷惑とご心痛をおかけいたしましたことを深くお詫び」
ORICON NEWS / 2024年10月31日 17時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください