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自民党の惨敗を招いた「2000万円問題」の"厚顔" 赤旗「非公認に2000万円」報道で情勢が一変

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 17時30分

この選挙結果を受け、自民ツートップの石破総裁(首相)と森山裕幹事長は、「国民の審判をしっかり受け止める」としたうえで引責辞任を否定し、「政権維持による政局混乱回避」に強い意欲を表明した。ただ、小泉進次郎選挙対策委員長は「責任を負うべきは選対委員長である私だ」として石破、森山両氏の慰留を振り切る形で辞任した。

これに対し、党内からは「辞めるべき人物は石破、森山両氏、それでなければケジメがつかない」(旧安倍派幹部)との声が出るなど、当面政権が維持できても、石破首相の求心力低下は避けられそうもない。

「2000万円支給」発覚で無党派の期日前投票が激増か

そこで、今回衆院選での有権者の投票状況の「推移」を、各メディアや選挙専門サイトによる出口調査結果などで検証すると、極めて興味深い経過がみえてくる。

特に注目されたのは、選挙戦各段階での投票率予測の変化だ。最終的な投票率は53.85%で前回衆院選より約2.1ポイント下がり、戦後3番目の低水準に。その一方で、当初出足が鈍かった期日前投票は終盤になって急増し、総務省の資料では、総数が全国で2095万5435人と前回の2021年衆院選より1.83%増加。過去最多だった2017年衆院選の2137万9977人を約40万人下回るだけの、過去2番目の高水準となった。

こうした経過や結果を踏まえると、「全国的規模での期日前投票急増と、赤旗による『2000万円支給』の特ダネをメディアが一斉に後追いしたことが、タイミング的に一致しているのは確か」(選挙アナリスト)とみる向きが多く、「結果的に、自民の対応への不信や批判が有権者を突き動かし、期日前投票に向かわせた」(同)との見方が広がる。

さらに「その結果、低迷していた投票率が数ポイント上昇し、その多くが反自民票となり、各小選挙区での自民候補の落選と、比例代表での自民得票率の減少につながった」(同)との分析も説得力を持つのだ。

“自公自滅”で立憲は得票横ばいなのに「大躍進」

その一方で、最終的な各党の比例代表の得票数を前回衆院選と比較してみると、こちらも興味深い結果となった。総務省は29日に衆院選比例代表の党派別得票数などをまとめて公表したが、自民は前回2021年から533万票(26.8%)減の1458万票に、公明も114万票(16.2%)減の596万票とそれぞれ大きく落ち込み、両党とも1996年の比例代表導入以降で衆院選としては過去最少の得票数にとどまった。

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