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東大目指す子の「自信を無くす」親の残酷な一言 子どもがのびのび成長するための親の心構え

東洋経済オンライン / 2024年10月31日 9時20分

それから僕らは、会社で東大生にアンケート調査やインタビューなどを実施し、"リアルドラゴン桜"の調査をしました。

内容としては、以下の3つの項目のうち2つ以上当てはまる人をリアルドラゴン桜と定義しています。

1 高校入学時点で、全国模試の総合偏差値が50を切っていた人

2 高校の進学実績の中で、10年以上東大合格が出ていない高校出身の人

3 受験の年に、東大受験が困難になるような問題が発生した人(自分または家族が病気になってしまった、家庭でなんらかのトラブルがあった場合など)

アンケート結果からは、東大生の全体の約2%程度がこの条件に当てはまることが見えてきました。つまり3000人の東大新入生の中で60人程度は、"リアルドラゴン桜"だと言えるのです。

もちろん定義や調査方法によって数字は変わるでしょう。しかし「偏差値が低い学校から東大に合格する」という人が、夢物語の存在ではなく、現実世界にもいるということは、多くの人が知っておくべき話なのではないかと思います。

子どもが大きな挑戦できなくなる

これを踏まえて、先ほどの「子どもが東大を目指したらどうするんだ」という意見を考えてみましょう。

もちろん東大受験はとても難しいですし、親御さんの目から見て「この子は東大なんて絶対無理だろう」という子もいるかもしれません。

でも逆に、「この子は東大なんて絶対無理だろう」と考えているからこそ、子どもが親を信じることができず、大きな挑戦ができなくなっている場合もあると思います。

僕は、小中学校でずっと学年ビリの成績を取っていました。赤点常連で、小テストは毎回再テスト。中学のときには三者面談を3時間やって、「なんでお前は真面目に勉強に取り組まないんだ」と怒られていました。高校入学時点では偏差値35。高校2年の3月の模試では英語が3点で、適当にマークしたところが当たっただけでした。

そんな僕に対して、音楽の先生が、『ドラゴン桜』の桜木先生のように、「東大に行け」と言ったから、僕は東大を目指すことにしたのです。

東大に合格した後でその先生に、「あの時、僕に『東大に行け』と言ったのは、僕が東大に行ける実力を秘めていると思ったからですか?」と聞いたことがあります。

答えは「いや、まったくそんなふうには思っていなかった。でも、お前は周りの大人たちからあんまり期待されていなかったから、それが不憫だと思ったんだ」とのことでした。

「子どもは、周りの大人が期待した以上には伸びない。周りの大人が全員『ここまでだろうな』とラインを引いたら、そこから上に行くことはない。だから、俺くらいは、そのラインを天井のところまで引いて、『お前は、ここまで行けるはずだ』って言ってやろうと思ったんだ」

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