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MINIの新型「エースマン」都市型を標榜する回答 クーパー以上カントリーマン未満の新世代

東洋経済オンライン / 2024年11月2日 13時0分

フランス人のフランソワ氏は、「おもしろいエピソードがあります」と言葉を続ける。

クルマに興味のない人の賛辞

「私は、ミニに来る前はBMWでプロダクトマネージメントをやっていて、トヨタ自動車のスープラも担当しました。私が手がけているクルマを一般の人が、どう評価してくれるか。その役目を最前線で果たしているのは、私の妻なのです」

今回の新世代ミニでも同様。フランソワ氏はかつて、ミニ・クーパーで帰宅した際、スイス人の妻が「乗ってみたい」と言ったそう。

「妻はクルマにほとんど興味を持っていません。でも、クーパーをひとりで運転して、帰宅すると“クールなクルマね”と言いました。エンスージアスト(クルマ愛好家)でなくても、特別なものがあると感じられ、運転が楽しめる。妻の感想に喜んだものです」

新しい世代のミニは、これまでミニに乗っていなかった人でも魅力を感じられるクルマにしたい。エースマンの開発チームは、より強く考えるようになったという。

「もっとも大事なことは、ミニを知らない人に乗ってもらうことです。運転すれば、ほかのクルマとの違いを感じてもらえるはずですから」

競合とは一線を画したキャラクター。それをずっと大切にしてきたミニのクルマづくりは、たしかに、エースマンでも健在だと感じられた。

今回、日本で発売されたエースマンは2モデル。どちらもBEVで、「エースマンSE」は54.2kWhのバッテリーを搭載し、最高出力160kW、最大トルク330Nmを発揮。WLTCモードで414kmの一充電走行距離を持つ。

もうひとつは「エースマンE」で、バッテリー容量は42.5kWh。最高出力は135kW、最大トルクは290Nmで、一充電走行距離は327kmだ。

私がコペンハーゲンで乗ったのは、エースマンSEだ。試乗会場にはブルーのクルマと、赤とオレンジの中間のようなバーミリオンのクルマが用意されていた。どちらの色も明るい雰囲気が強くて、「街中を軽快に走りたい人向け」というメーカーの趣旨によく合っていると感じられた。

電動車に慣れたBMWならではの味付け

2014年にピュアEVの「i3」とスポーティクーペ「i8」を発売して以来、連綿と電動車の技術を磨いてきたBMWならでは、というべきだろうか。発進直後のトルク感はあえて抑えめで、なめらかに速度を上げていく加速の感覚がとてもよい。

エースマンのホイールベースは、4080mmの全長に対して2605mmと長め。それとともに、サスペンションシステムはうまく設定され、市街地でも高速でも乗り心地は、想像していた以上に快適だった。

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