領内クルスク奪還へ焦り強めるプーチン大統領 侵攻から3年迎え2024年末に北朝鮮から追加派兵も
東洋経済オンライン / 2024年11月2日 8時0分
「現在の約1万人の派兵部隊は第1陣にすぎない。第2次派兵が2024年末か2025年初めにも行われるだろう。北朝鮮から船で極東に送られてくるだろう」
2024年6月のロ朝首脳会談で決まった派兵のトータルの規模については、会談直後には5万人規模とも10万人規模にも、という情報があった。今回の1万人規模の派兵でも侵攻の戦況に相当の影響が出ることは必至だが、これに続き、第2次派兵が行われれば、ウクライナ侵攻への影響はいっそう大きくなろう。
この場合、ウクライナはどう対抗するのか。また米欧はどう軍事的に支援するのか。第2次派兵の有無に関する見極めが非常に大事になってきた。
一方で派兵開始後、ウクライナ側はロシア軍部隊と派兵部隊兵士との間で言葉の問題などで意思疎通がうまくいっていないことを示唆する情報を公表している。
今回の派兵に対するロシア側からの見返りについては、まだ正確な内容は不明だ。北朝鮮としては、核関連技術やミサイル関連技術の提供を求めているとみられている。
今回のロシアからの北朝鮮への派兵要請について、2024年8月初めのウクライナ軍によるクルスク州への突然の越境攻撃が直接の契機になったことは、前述の前回の論考で記した。
プーチン氏は精強の第155海兵師団も投入してウクライナ軍と激戦を展開しているが、いまだに奪還のメドが立っていない。
クルスク奪還期日を延期したプーチン
実は、クルスク州の奪還をめぐり大統領は国防省に対し、当初2024年10月までの奪還を命じていた。しかし、この期限内にロシア軍は奪還を達成できなかった。このためプーチン氏は最近、2025年2月に期限を先送りしたといわれている。
この先送り判断の一つの材料になったのが今回の北朝鮮の派兵だろう。現在クルスク州におけるロシア軍の兵力は約5万人といわれる。しかし、早期奪還には10万人から15万人の兵力が必要と言われていた。つまり、この現兵力と必要な兵力の差をみると、5万人から10万人になる計算だ。
つまり、この計算は、前述した、首脳会談直後に流れた、派兵の最終的な規模に関する情報と数字的には符号するのだ。
プーチン氏からすれば北朝鮮の派兵部隊投入という奇手を打ってでも、奪還を急がねばならない事情がある。
それは何か。プーチン氏の脳裏には、ある日付が大きく点滅し始めたとみている。侵攻開始から丸3年を迎える2025年2月24日だ。できれば、その日に向けウクライナに対する戦場での勝利を宣言したいところだろうが、現在の戦況ではそれは極めて現実的ではない。
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