「風が吹いても痛い」だけではない痛風の深刻な害 「尿酸値の異常」はけっして軽く見てはいけない
東洋経済オンライン / 2024年11月3日 16時0分
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腎臓が弱ってしまうとほかの臓器も共倒れに
「もし、腎臓を何かにたとえるとしたら、何にたとえますか?」と聞かれたとします。私だったら、舞台監督と答えるでしょう。
観客が舞台で目にするのは、演技をしている俳優ですが、俳優がよい演技をできるように全体を把握してサポートし、舞台を管理・運営しているのは監督です。同じように腎臓も、臓器の働きを下支えしている必要不可欠な存在なのです。
舞台は、監督や俳優だけでなく、美術・照明・衣装の担当など、さまざまなスタッフがチームを組み、一致団結して作り上げていくものです。それは私たちの体も同じです。腎臓は血液をろ過するだけ、心臓は血液を送り出すだけと、それぞれが切り離されているのではなく、互いにメッセージを出し合って、連携して働いているのです。これが「臓器間ネットワーク(臓器連関)」です。
臓器間ネットワークで有名なのは、脳と腸との「脳腸連関」です。テレビ番組などでも特集が組まれていたので、多くの人がすでに耳にしたことがあるのではないでしょうか。腸は、多くの神経細胞が存在することから「第二の脳」といわれていて、腸の不調は脳に、脳に受けたストレスは腸に反映されるのです。
医療の現場では、腎臓と心臓の関係性である「心腎連関」が、早くから注目を集めていました。腎臓の機能が低下した患者さんでは心不全の治療がうまくいかなかったり、慢性心不全の患者さんに慢性腎臓病が併発したりするケースが多かったからです。腎臓と心臓のどちらかが悪くなれば、それにともなってもう一方も悪くなる関係にあるのです。
その臓器間ネットワークの中心といえるのが、腎臓です。腎臓は、全身を巡る血液のゴミを取り除いたり、体液のバランスを保ったりしていて、心臓はもちろん、脳や腸など多くの器官・臓器と関係性をもっているからです。
心臓から全身を巡り、腎臓に送られてきた血液は、糸球体でろ過されて、そのろ過されたゴミと水分が一緒になって原尿になります。1日当たり原尿は約150リットルも作られているのですが、そのうちの99%が尿細管で再吸収されて、血液に戻されます。
原尿には、尿素やクレアチニンといったゴミだけではなく、アミノ酸やブドウ糖、電解質といった有用な成分もたくさん含まれています。それらの有用な成分は、水分と一緒に尿細管で再吸収されていきます。
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