「地元に住めない」2度の災害に襲われた人の現実 日本全国「他人事じゃない」事態をどうすればいいのか
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 11時0分
大震災の復旧作業が終わらないうちに、歴史的豪雨災害が起きた能登。能登のリアルを数回に分けて紹介しているこのシリーズ、第1回は「現在の能登と復旧が遅れたワケ」、第2回は「能登から遠方に避難して暮らす家族」、第3回は「震災後も能登で暮らす家族」をお届けしました。
そして今回は「震災と豪雨を経験した家族」として、輪島市町野町の川原(かわら)さんご夫婦を取材しました。連続して被災したからこそ思う「自然災害国・過疎地で生きる方法」とは? それは、まだ災害にあったことのない私たちにとっても他人事ではないはずです。
9月に記録的豪雨が発生
今後、水害はもっと増える?
大地震で激変した暮らし
妻の実家に一時的に避難
春には妻子は妻の実家に完全引っ越し
収穫が終わる前に記録的豪雨に見舞われた
支えになったのはボランティアの方々
妻子とはしばらく続く別居生活
疑問を感じる被災地支援
予算がないのならば…
「シェア」という発想
過疎化、高齢化、自然災害に対応するために
能登では、ボランティアを募集しています
川原さん一家の震災からの日々、マンガに描いたのはほんの一部です。震災当日に現地にいなかったことに罪悪感を抱えながら情報発信に奮闘したり、中学校集団避難していた息子さんがコロナに感染したときは父子ふたり暮らしをしたり、お子さんの受験に奔走したり、應貴さんの膝の持病が悪化したり、個人でもボランティアを集め続けたり、東京など遠方にも農産物を売りに行ったり、水害から逃れたわずかな収穫を出荷したり、文字通りの怒涛の日々でした。そんななか、お子さんたちが育った家は、やっと公費解体工事の順番がきて、ついに取り壊されました。
能登の被災住民の行政への思いには居住地や被災具合などによってかなりグラデーションがありますが、町野町は能登の中でも被害が大きく、復旧に時間がかかっている場所です。地震からの復旧の遅れは、水害の被害をさらに拡大させました。そんなこともあり、應貴さんは「与党も野党も、誰の言葉も僕には信じられない」と言います。「米」という日本の芯を支える農産物を生産し、少子化の日本で5人のお子さんを産み育ててきた人がこういう気持ちになっている、そういう現実が能登にはあるのです。
もうじき、能登は雪に埋もれる冬がやってきます。その前に少しでも復旧作業を進めるべく、地元の人、工事業者、そして全国から駆けつけたボランティアの人々が奮闘しています。能登では、現在もあちこちでボランティアを募集しています。
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