「偽ショッピングサイト」に誘導される悪質な手口 消費者もECサイトを運営する企業も警戒すべき
東洋経済オンライン / 2024年11月5日 8時0分
偽ショッピングサイトとは、利用者から購入代金をだまし取ったり、粗悪品を販売したりするWebサイトのことだ。注文をして代金を振り込んでも商品が届かない、あるいは届いても空箱だったり全く別の商品だったりする。
【グラフを見る】悪質なショッピングサイトを知った経緯は「インターネット検索」がずば抜けて多い
また、ECサイトを運営する企業にとっても脅威となる。偽ショッピングサイトをつくる攻撃者から自社ECサイトを改ざんされて攻撃の踏み台として利用されれば、自社のブランドは大きく毀損されてしまう。
こうした被害を防ぐにはどうしたらいいのか。警察や民間企業と連携して偽ショッピングサイト対策に取り組んでいる日本サイバー犯罪対策センター(JC3)の渡邊泰司氏に聞いた。
24年上半期だけで1万7000超の通報件数
偽ショッピングサイトの大きな特徴は「安さ」だ。少しでも価格の低いものを利用したい消費者心理につけこみ、大幅な値引きの強調や「品薄」「本日限り」といった表示で商品購入を急がせる手口が多い。
「商品を購入する場合、商品名や『割安』『特価』といったキーワードでインターネット検索を行い、上位に表示されたサイトを見て『確かに安い』となって購入手続きをすることが一般的でしょう。
JC3では、セーファーインターネット協会の『悪質ECサイトホットライン』に寄せられた通報内容を分析してフィルタリング事業者やセキュリティ事業者等へ情報を提供しています。通報には残念ながら偽ショッピングサイトで代金を支払ってしまったケースも含まれており、銀行振込が多いことがわかっています」(渡邊氏、以下同)
2023年に、セーファーインターネット協会からJC3へ共有された悪質なショッピングサイトなどの通報件数は、4万7278件。2022年の2万8818件と比べ、2万件近く増えている。
増加した背景として、偽ショッピングサイトに気がつく機会が増えていることに加え、通報する人も増えていることが考えられる。
SNSの普及で「検索離れ」が進んでいるともいわれるが、JC3の統計情報によれば、偽ショッピングサイトに到達するのは多くがインターネット検索からだ。2023年は3万4639件、2024年は上半期だけで1万1737件。
ちなみに、2024年上半期で次に多い「メールに記述されていたURL」は2604件、「X(旧Twitter)等のSNS投稿」は638件。つまり、受動的に入ってきた情報に対処した結果遭遇するのではなく、能動的に偽ショッピングサイトへたどり着いているのが大半なのだ。
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