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北朝鮮軍に"頼る"ロシアの姿勢が激変した事情 ついに交戦開始、北朝鮮側が得るものは?

東洋経済オンライン / 2024年11月6日 10時0分

しかし、先週モスクワを訪問した北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は、「無敵の軍事的同志関係という新たなレベルにまで関係性が高まっている」と語った。 彼女は「神聖な闘いにおける偉大な勝利」を予言し、「勝利の日まで、われわれはロシアの同志とともに断固として立ち上がる」と誓った。

北朝鮮とロシアの軍事的軸が深まっていることを示す証拠は、ここ数カ月で増え続けており、ウクライナのみならず、韓国そして日本政府までが警戒を強めている。

大量の武器と弾薬の輸送に続いて、ロシアの戦争活動に参加するために軍隊を派遣するという北朝鮮政府の決定は、昨年6月にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が北朝鮮を訪問した際に結ばれた安全保障同盟からの流れだ。

さらに興味をそそるのは、プーチン政権が見返りとして金正恩政権に何を提供したか、という話である。

決定的な証拠は少ないが、ロシアが核不拡散と核使用の回避という長年の公約を放棄したと結論づける理由はある。韓国とアメリカの国防情報専門家は現在、北朝鮮が「華城19号」として設計した、より射程が長く大型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の新型発射実験について、ロシアの技術支援の証拠がないか調べている。これまでのところ、ロシアの関与を示すものはない。

この枢軸に対する金正恩総書記の個人的なコミットメントは明白である。韓国の諜報機関は、ロシアにSOF要員を指揮する3つ星のキム・ヨンボク副総参謀長がいることを確認している。同氏は3回のSOF演習を含め、今年に入って少なくとも7回は金正恩に同行している。

北朝鮮が紛争に軍事顧問、あるいは戦闘員を派遣することは前例がないわけではない。北朝鮮はベトナム戦争中、カンボジアのポル・ポト政権を支援し、ヨム・キプール戦争ではイスラエルに対するエジプトの戦闘に参加した過去がある。

ロシアのタス通信が当時報じたところによると、2016年には、内戦中にアサド政権のために戦うため、北朝鮮の長年の同盟国であるシリアにSOFが派遣されている。

ロシアの戦争に不可欠な北朝鮮からの物資

北朝鮮による軍需物資の支援は、すでにロシアが戦争を続けるうえで不可欠なものとなっている。砲弾と短距離弾道ミサイルの供給量の見積もりはさまざまだが、低く見積もっても100万発前後で、使用される全弾薬のかなりの割合を占めることになる。北朝鮮の補給は、昨年ロシアがウクライナの攻勢を鈍らせ、戦場で明確な利益を上げる上で極めて重要だと考えられていた。

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