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ファーウェイ、アンドロイドOSとの「決別」秒読み 独自OSの一般ユーザー向けベータ版を提供開始

東洋経済オンライン / 2024年11月7日 17時0分

ファーウェイはアメリカ政府の制裁強化から5年余りを経て、端末用OSの自主独立を成し遂げた(写真は同社ウェブサイトより)

中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は10月22日、独自開発OS(基本ソフト)「鴻蒙(ホンモン、英文名はハーモニーOS)」の最新バージョン「ハーモニーOSネクスト」の発表会を開催。一般ユーザー向けのベータ(試用)版の提供開始を宣言した。

【写真】中国のファーウェイ製品の専売店

ハーモニーOSネクストは、それ以前のバージョンに実装されていたグーグルのアンドロイドOSとの互換機能を廃止し、鴻蒙向けのネイティブアプリにのみ対応している。そのため、IT業界内やスマホユーザーの間では「純血鴻蒙」の異名を持つ。

年初の予告通りにリリース

一般ユーザー向けベータ版の提供のタイミングは、ファーウェイが2024年初めに明らかにしたスケジュール通りだ。同社は1月18日、ハーモニーOSネクストの開発者向けプレビュー版を発表。2024年4~6月期に開発者向けベータ版をリリースし、10~12月期に一般ユーザー向けの提供を始めると予告していた。

「今日は(ファーウェイにとって)特別な日だ。ハーモニーOSネクストは基本ソフトの中核技術における全面的なイノベーションを果たし、端末用OSの自主独立を成し遂げた」。ファーウェイの消費者向け端末事業を率いる余承東氏は、発表会でそう誇らしげに述べた。

ファーウェイは今回の発表会に先立つ10月8日から、同社のハイエンドスマートフォン「Mate 60」シリーズなど一部の端末を対象に一般ユーザー向けベータ版の配信を開始。10月22日からは同じくハイエンドスマホの「Pura 70」シリーズや折り畳み式のコンパクト・スマホ「Pocket 2」シリーズが対象に追加され、2025年にはさらに多くのモデルで利用可能になる予定だ。

2015年に開発がスタートした鴻蒙は、当初は自動運転システムや産業用オートメーションなどIoT(モノのインターネット)向けの組み込みOSとしての用途を想定していた。

ところが2019年5月、アメリカ政府がファーウェイをエンティティー・リスト(訳注:アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等のリストで、事実上の禁輸対象)に追加したため、ファーウェイは(同社製のスマホに搭載していた)グーグルのアンドロイドを利用できなくなってしまった。

ファーウェイは苦肉の策として、独自開発の鴻蒙を一般ユーザー向けに転用することを決断。2019年8月に最初のバージョンをリリースしたが、スマホ用のOSとして十分な機能を持つとは言い難かった。

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