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山形で人気トップ「金の鶏中華」店主の痛恨の失敗 ラーメンバーで成功も、客の気持ちを見失って…

東洋経済オンライン / 2024年11月7日 8時30分

このお店がちょっとした繁盛店になる。いよいよラーメン屋として人気が出てきたオープンから1年ぐらい経った頃、地元の先輩から、夜にお酒を飲んだ後に締めで食べられる美味しいラーメンがないからやったらいいのではという助言を受け、「ラーメンバー」をオープンする。

「新旬屋 麺」を朝11時から夜8時まで営業し、そのままスープを持って「ラーメンバー」を夜9時から3時まで営業するという不眠不休の生活が始まった。

この「ラーメンバー」が爆発的な人気になる。夜12時でも行列ができているという新庄市では見たことのない光景が広がった。ゆっくりお酒を飲んで、美味しいラーメンで締められるスタイルが人気になり、お店の前には運転代行がたくさん待っている状態になった。

2店舗を融合し、リニューアルした結果

オープンから半年もすると、あまりの人気に近所からは苦情が来るようになり、半田さんは2店舗を移転して融合し、昼から夜間まで営業できるお店にリニューアルした。朝11時から夜3時まで中休みなし、定休日なしで営業をした。しかし、これが大失敗となる。

「そのときは画期的な取り組みだと自分では思っていたんですが、今考えるとやってはいけないことをやってしまったなと思います。朝から晩までいつでもやっていて、ラーメン屋なのか飲み屋なのかわからないお店になってしまったわけで、お客さんからすれば価値観が下がるわけですよね。

夜はうるさいお客さんはいるし、特別感もないしコンセプトもしっかりわからない。そんなことにも気づかず調子に乗ってやっていたら、みるみる売り上げが落ちてしまいました。さらに、当然時間によって作り手も変わるわけで、ラーメンの味のブレ幅も大きくなってしまったんです」(半田さん)

売り上げが下がるなかで、半田さんの本当の戦いが始まった。

続く後編(東京で一獲千金狙うも「酷評」店主の痛切な気づき 山形の超人気ラーメン店「新旬屋」はどう再生したか)では、東京でのイベント出店で受けた酷評を経て、そこからいかに再生していったか、さらには地元への半田さんの貢献についてお届けする。

後編で紹介している写真はこんな感じ

井手隊長:ラーメンライター/ミュージシャン

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