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家で観る映画に迷ったら…週末の「気分別」3作品 エンタメ、社会派、ヒューマンドラマを楽しむ秋

東洋経済オンライン / 2024年11月8日 8時0分

同時に、政治サスペンスであり、脱出劇を描いた人間ドラマでもあり、ド派手なアクションも満載で、特に大使館の“蔵書”を盾にしながら非常線を突破してゆく怒涛のカーアクションは痛快です!

日本の社会構造をあぶり出す『さがす』

土曜日の気分とテーマ:
ゆっくり時間があるので、ふだん見過ごしていることにも目を向けたり、じっくり考えごとをしたりできる社会派な作品

『さがす』(2022)
Netflix/Amazon Prime Video/U-NEXT/Huluにて定額内で視聴可能(2024年11月6日時点)

交番や駅など街の掲示板に貼られた重要指名手配のポスターは、誰しも一度は目にしたことがあるはず。

『さがす』(2022)は、生活が楽になるからと「指名手配中の連続殺人犯を捕まえたら、300万円の賞金がもらえる」と冗談めいて話していた父親が、突然失踪してしまう事件の顛末を描いた社会派のミステリー映画。

これまで誰も見たことがないような、強烈な父親像を演じた佐藤二朗を目撃できるのも重要なポイントです。格差社会をモチーフにした『さがす』で描かれるのは、一度落ちてしまったら抜け出そうとしても抜け出せない奈落のような社会構造。

一攫千金を狙って生活を楽にしようと試みる危うさは、昨今SNSで仲間を募って強盗をさせる集団の危うさにも似ているかもしれません。一方で、今作が持つユーモアには暗澹たる気持ちを和らげる効果があり、その象徴となるのが関西弁のセリフ。

いっけんすると親子喧嘩をしているかのような父と娘との会話の中に、お互いに対する“思いやり”や“優しさ”を感じさせるからにほかなりません。関西におけるツッコミは、相手を放っておかない(構ってあげる)優しさなのです。

父親を探しにハローワークへと赴いた娘は、派遣先の工事現場で同僚から砂煙の向こう側にいる人物が父親だと教えられます。

しかし、「お父さん」と呼びかけた砂煙の向こう側にいたのは、掲示板に貼られていた、あの指名手配像によく似た若者だったのです。

指名手配犯の潜伏先などに既視感があるのは、いくつかの実際の事件がモデルになっているからで、やがて物語は予想外の展開を迎えます。

タイトルの“さがす”を平仮名にしたことで、広義に解釈できる仕掛けになっているのも一興。

絶望的な顛末ながら、社会の底辺から抜け出そうと試みた父親と娘の姿に、意外や意外、熱い涙があふれてしまうような作品です。

新しい挑戦への勇気をもらう『ワンダー 君は太陽』

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