「木枯らし1号」が早い年の"株価のジンクス" 冬入り時期の違いは景気や株式市場にも影響
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 7時0分
ここにきて気温も下がる日も多くなり、肌寒さが増してきました。11月7日は暦のうえで冬が始まる立冬(りっとう)です。この時期に吹く「木枯らし1号」は、冬の気候の到来を告げるものです。
「木枯らし1号」には、株価と意外な関係があります。今回は木枯らし1号にちなんだ株価のジンクスを紹介します。
「木枯らし1号」が発生する年・しない年
その年の最初に吹く木枯らしを、気象庁は「木枯らし1号」と発表します。冷たくて強い北風が吹けば一般には木枯らしと言われますが、木枯らし1号は気象庁が決めた定義があります。
東京地方の場合、西高東低の冬型の気圧配置の季節風によるもので、風速8m以上の北(から西北西)風でないと木枯らし1号にはなりません。風速8m以上は春一番にも使われる基準ですが、ザックリとした実感で、砂ホコリが立ち、髪の毛は大きく乱れて、雨が降っていたら傘をさすのが難しい位の強風です。
ですから、こうした北風の強風が11月中に吹かない年もあり、その場合には木枯らし1号が発生しなかった年になります。近年では、2022年までの2年間は木枯らし1号が吹かない年でした。これは温暖化が影響していると見られています。
その一方、木枯らし1号が早く吹くと「冬入りが早い」年と言えます。反対に木枯らし1号が遅いと「冬の訪れが遅い」年です。
このような冬入り時期の違いは景気や株式市場にも影響を与えます。下表で確認しましょう。気象庁のウェブサイトでは、1951年から木枯らし1号が吹いた日のデータが取得できます。
そこで10月中に吹いてしまった「早い年」、11月10日までの「例年並み」と11月11日以降に吹いた「遅い年」の3つに分けて、木枯らし1号が吹いた日の翌日から年末までの日経平均株価の騰落率を平均しました。
木枯らし1号が「早い年」は、1951年以降で22回ありました。それぞれの年で、木枯らし1号が吹いた翌日から年末までの日経平均株価の騰落率を計算した後、22年間を平均すると、2.4%となり上昇しました。ただ、「例年並み」の4.1%と「遅い年」の5.2%に比べると上昇率が劣っていることも注目されます。
景気へのプラス効果
基本的にこの時期の株価は年末にかけて上昇しやすいことは前回の本連載『ハロウィンの日の投資は「儲かりやすい」の真相』でも紹介しました。冬を迎えてエアコンなどの家電の購入が増えたり、年末に向けて会社員はボーナスの時期にもなり、クリスマスや年末商戦を迎えて個人消費が増える時期です。このような景気へのプラス効果が、木枯らし1号が吹いた日の翌日から年末に向けて基本的に株価が高い理由となります。
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