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年収11億「都バスのドル箱路線」地下鉄開通で逆風 東京メトロ有楽町の新線ルートと重なる「東22」

東洋経済オンライン / 2024年11月10日 7時55分

年収11億「都バスのドル箱路線」地下鉄開通で逆風

東京東部で指折りのターミナル駅・錦糸町から、ひっきりなしに出発するバス路線がある。年間収入11億円をたたき出し、都営バス全126路線の中でも有数の高収益路線となっている「東22」系統だ。

【写真9枚】都営バスのドル箱路線「東22」系統の沿線風景、有楽町線の新駅「千石駅(仮称)」の街並み

都営バスの”虎の子”とも言えるこの路線に、強烈なライバルが現れようとしている。

前編ー東京メトロ有楽町線の「新駅ができる街」現在の姿に続き、後編の今回は有楽町新線のルートと重なる「都バスのドル箱路線」の解説と、新線開業による影響について予想する。

都バス支える「東22」

新線の北半分は四ツ目通り直下となる予定だが、同ルートを走るのが都バスの「東22」系統。

この「東22」は錦糸町駅と東陽町駅をまっすぐ南北に結んでいる(同系統には、より運行距離の長い「東京駅丸の内北口行き」もあるが、圧倒的に本数が多いのは「東陽町駅」行き)。

「東22」は収入や乗客数といった指標で全126路線中のトップ5に入る好成績、高収益を記録するドル箱路線なのだ。

年間収入 11.3億円(126系統中4位)
利益 3.19億円(同2位)
利用者 17422人/日(同4位)
営業係数 72(同2位)
※営業係数=100円の収益を上げるのにかかる費用を示す指数。100未満は黒字
※数字はいずれも2023年度

【画像9枚】都営バスのドル箱路線「東22」系統の沿線風景、有楽町線の新駅「千石駅(仮称)」の街並み

都営バス全路線のうち半数以上の約70路線が赤字で、経営を支えるのは一部の路線。

都バスは2023年度、64年ぶりの黒字化(経常利益16億2600万円)を達成したが、それにも大きく貢献したといえるだろう。

都営バス「高収益路線」ランキング

ではなぜ「東22」はドル箱路線なのか。その理由は5つあると考える。

①バス以外の移動手段が乏しく利用者数が多い

だからこそ有楽町線延伸が決まったわけで、これについては前編の通りだ。

②乗客の回転率の良さ

「東22」は江東区役所や住吉駅といった途中停留所での乗車・下車が多く、終点までに車内の乗客が2回、3回と入れ替わることもあるという。

また、運行本数は少ないが「東京駅丸の内北口行き」の場合、東陽町駅前~東京駅間では、地下を走る東京メトロ東西線の駅間が長く、駅から遠い新川・永代橋からの利用も盛んだ。

このように一度の運行における「回転率の良さ」があるからこそ、1路線で10億円単位の収入獲得が可能となるのだ。

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