「疲弊するリーダー」がやるべき簡単な1つのこと ビジネスの結果だけを求める組織は成長しない
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 10時0分
「面白い!ワクワクする!といった参加意欲をかきたてるような研修を提案してもらえませんか?」
「弊社の次世代リーダーたちの心に火をつけて、国内外のどこでもやれるというマインドセットを持ってほしいんです!」
どちらも私が一緒に仕事をさせていただいている、大手企業の人事担当者からのリクエストです。最近は次世代リーダー育成において、「ワクワク」「心に火をつける」といったキーワードが増えてきました。面白いもので、企業も人も自分が持っていないものを求めようとします。
例えば「わが社の今年のキーワードは “挑戦”である」と掲げる企業は、挑戦マインドのある社員が少ないということになるし、「わが社の今年のキーワードは“変革”である」と掲げる企業は、変革できていないと言っているようなものです。
皆さんも自社の中期経営計画をチェックしてみてください。大きく掲げられたキーワードは今、自分たちに足りないものではないですか?
ワクワクしない彼らが悪いわけではない
個人でも「私が大切にしているのは“自由”なんです」という方は大抵、精神的に自由ではありません。本当に自由な人は自由に憧れないし、そんな言葉も吐かないものです。
そんな視点で考えると、冒頭の人事担当者たちの声は、次世代リーダーたちが仕事の中でワクワクすることなく、そして心に火がつくこともなく、ただ粛々と仕事をこなしているということの裏返しかもしれません。おそらく、さまざまな年代・ポジションの社員も似た状態なのでしょう。
難しいのは、別に彼らは悪くないということです。ワクワクしろと言われても、そうした環境や状況でなければなれませんから。
私は2017~2018年にかけて、スペイン・マドリードのIE Universityで「ポジティブ・リーダーシップ」の修士プログラムを学んでいました。ポジティブ・リーダーシップが求められる背景には、ネガティブなリーダーシップが多いと、人も組織も疲弊してしまうことがありました。
ネガティブになってしまうのは、時代背景もあります。正解がない、予測できない、不確実な時代の中で、私たちを取り巻く状況はますます不安定になっています。それでもリーダーたちは、いつだってビジネスの成果を求められます。それがストレスとなり、ネガティブ・リーダーシップに繋がるというわけです。
だからこそリーダーたちがいかに心身を健全に保ち、チーム内にポジティブな空気を作れるか。よく聞く「心理的安全性の高い」「自己肯定感を感じられるような」という意味にも繋がりますが、そんなリーダーシップが求められる中でどうするか? という学びでした。
リーダー育成のゴールが変わってきた
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