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SNSをやめられない人が知らない不都合な真実 「進化」という巨視的な視点がなぜ必要なのか

東洋経済オンライン / 2024年11月12日 12時0分

消費者が賢くなれと言っても難しいところがあります。ちゃんと子どもたちを守れるように、政治を含めた大きな力で押し戻せるかどうかが課題だと私は思います。

ダンバー氏などの人類学者は、こういった今の我々の世界について、いろいろな意味合いから「これが当たり前ではないんだよ」ということを伝えようとがんばっているわけです。

必要なのは進化についてのリテラシー

西欧には、キリスト教神学的に、人間は神が作ったものであり、動物は人間以下のものとされています。魚類から進化して、その頂上に人間がいて、それより上に天使、その上に神がいるというハシゴ型の考え方があるのです。

ですから、19世紀の西欧では「人間はチンパンジーと近く、もともと猿だった」と言うと、宗教的な猛反発があり、ダーウィンはそのために苦労しました。

しかし、日本では「人間はもともと猿だった」と言っても、誰も反発しません。進化とはこういうものだと聞くと、「そうか」と思って、それ以上考えることがないからです。

日本では、ダーウィンの「進化論」を誤読した考えが広まっていて、「種の保存」という考えが誤りであることが世界では常識にもなっているのですが、それをいくら言っても、誤りが消えません。反発しない代わりに、どうでもいいというのが日本なのです。

また、中国では「北京原人、我らが祖先」と言って、北京の博物館に北京原人の像を建てています。実際には、北京原人は現生人類の祖先ではないのですが、イデオロギーとして取り込んでしまった。そして「自分たちは世界で最も古い人類だ」と間違ったことを言っているわけです。

だから、リテラシーが必要なのです。30万年のサピエンスの進化史の中で、最近1万年の中の、最後の100年で起こっているようなことは、タイムスパンを長くとって見直すことが重要なのです。

本書の序盤に、オックスフォードのビジネス講座において、受講者を35人から40人に増やしたところ、クラスの連帯感や仲間意識が生まれなくなったということが書かれています。

こういったことは、みんな現場で直感的に知っているのではないでしょうか。集まるのが5人ぐらいなら話ができるけど、7人になると3人と4人に分裂してしまうというような経験はあるでしょう。

それを単に直感に終わらせず、その理由を知り、人をまとめるためにはこうしなければならないという考え方を持つようになれば、「ダンバー数」はもっと使われるようになるでしょう。

「進化経済学」や「進化法学」という分野も

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