20年ぶり再会の「元カノと結婚」した彼が語ること【再配信】 お互いに「紆余曲折すぎた社会人生活」の末に選択
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 19時10分
行動力があり過ぎる和美さんは、祐樹さんとの交際がスタートした翌年に以前から興味があった農業に挑戦。農作地の関係で祐樹さんとは週末だけ会える中距離恋愛が続いた。ようやく同居を始めたのが2019年の秋。和美さんの一人娘は小売業の正社員として働いており、恋人と同棲中。月1ペースで泊まりに来て、祐樹さんとの関係も良好だ。
「成人して独立した娘にとっての祐樹さんはあくまで『ママの彼氏』です。祐樹さんにも『お父さんになろうなんて思わなくていいよ』と伝えています」
祐樹さんは和美さんの両親への挨拶を希望しており、事実婚ではなく法律婚でもいいと明言している。しかし、和美さんの両親が「田舎なので娘が離婚したことで肩身が狭くなっている。再婚したとは近所に言いにくい」「孫娘が一人戸籍になるのはかわいそう」という、筆者から見れば謎の理由で和美さんの再婚に反対。2人が婚姻届を提出するのは少し先のことになりそうだ。
「どちらかが病気をしたり亡くなってしまったりすることを考えると、いずれは法律婚をしたほうがよいかもと思っています。でも、今の時点では祐樹さんと一緒にマンションを買ってローンを一緒に背負うことで結婚を実感しているところです」
結局、就農に挫折したという和美さんだが、現在は福祉事業所の畑で農作業ができている。服が汚れるので2日に一度の洗濯は和美さんが担当。平日夜の料理は祐樹さんが作っている。バランスのとれた仲良し夫婦に見えるが、学生時代から付き合い続けて20代で結婚していたらすぐに離婚していただろう、と2人は口を揃える。
「他人は他人、自分は自分」
「僕は自分も含めて『人はこうあるべき!』という気持ちが強くて、それから外れた行動が若い頃は許せませんでした。経済力も生活力も足りない自分を認められず、ダメなところを他人に見せられなかったんです。でも、今は堀井さんが『隠さないでも大丈夫だよ』と思わせてくれます」
和美さんのことを名字で「堀井さん」と呼ぶ祐樹さん。「他人は他人、自分は自分」という大人の感覚がようやく身についたと語る。そのうえで言うべきことはちゃんと言葉にして伝えることも覚えた。
「学生時代に堀井さんと付き合っていたときに、食事中に興奮した堀井さんがナイフとフォークを嬉しそうに振り回したことがありました。それがどうしても嫌で、ついには別れてしまったのですが、今考えると嫌なものは嫌だと言えばよかったのです」
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