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北朝鮮のロシア派兵は現金と実戦経験が目的だ 800億円の収益と現代戦の経験という実利思考

東洋経済オンライン / 2024年11月13日 14時0分

外交的な観点から見ると、金総書記は中国だけでなく、アメリカと韓国にもシグナルを送っている。

派兵はアメリカと韓国向けのシグナルだ

最近の中朝関係の明らかな冷え込みの兆候は、北朝鮮によって始まったと思われる。とくに北朝鮮の場合、対外経済の依存度において中国が98%に達する状況で、金総書記は中国と距離を置くことで、北朝鮮内政に対する中国の干渉を減らそうとしているようだ。

ロシアとの関係を強化することで他の戦略的選択肢があることを示し、中国に対する影響力を高めようとする目的もある。

中国が現在、インド太平洋地域の安定が望ましいと考えていることを知っている金総書記は、少なくとも核実験に関しては「賢い行動」で中国と金銭的対価を交換することができるだろう。

――北朝鮮の兵士派遣が、韓国やアメリカに与えるメッセージは何か。

北朝鮮とロシア間の「包括的なパートナーシップ」という表現は意図的に曖昧であり、北朝鮮が攻撃された時の自動軍事支援に対する明示的な約束はない。このような曖昧さのおかげで、両国は戦略的態勢を取ることができ、拘束力のある義務ではなく、柔軟な選択権を持つことになる。

朝鮮半島で紛争が発生した場合、北朝鮮が軍隊を派遣した見返りにロシアも自国の軍隊を派遣する可能性があるが、その可能性は不確実だ。

北朝鮮とロシアは、アメリカがどこまで我慢できるかを試している可能性がある。アメリカが拡大を自制すれば、欧米の決意が弱まったと認識し、そのため金総書記はより大胆な行動に移す可能性がある。

――ロシアが派兵と引き換えに先端技術を北朝鮮に渡すのでは。

歴史的に、ロシアはイランや北朝鮮のような予測不可能な政権と危険な技術を共有することを控えてきた。冷戦時代、ソ連は北朝鮮に最初の研究用原子炉を提供したが、ソ連は衛星国に対して平和目的の核技術は提供したものの、北朝鮮にはそういったものにアクセスできないようにした。

ロシアは軍事的必要性から、命中率が50%に満たない北朝鮮の短距離弾道ミサイル「火星11型」などの改善を支援する可能性が高い。短距離ミサイルの精度向上によって、意図せずとも長距離ミサイルシステムに適用できる基盤技術を北朝鮮に提供する可能性もある。

北朝鮮は核とミサイルプログラムをほぼ独自に発展させてきた歴史がある。ロシアの支援を通じて北朝鮮が長距離ミサイルシステムを改善することは、アメリカがとくに懸念していることだ。

派遣規模は最大2万人か

――北朝鮮軍の派遣規模を最大2万人と予測した。

海外派兵の上限を超えると、中核的な防衛能力が損なわれ、軍の作戦および防衛能力が深刻に損なわれる可能性がある。一般的に、防御準備態勢を最大限維持するためには、兵力の1~5%を派遣する。

北朝鮮は120万人の兵力を保有しており、このうち60万人が戦争勃発時、即時動員対象である「教導隊」に分類される。理論的には、北朝鮮は最大10万人を派遣することができるが、北朝鮮の現役兵力の約3%に相当する2万人がより現実的な派遣規模だ。

標準的な軍事教義によると、ロシアは攻撃を成功させるために9万~12万人の兵力が必要だ。山岳地形で訓練された北朝鮮軍は、開放されたクルスク地域では戦闘力が低く、ウクライナ戦争に決定的な影響を与えることは難しい。

ソウル新聞

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