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アフターコロナでの健全な心身の取り戻し方 経験者の知恵をうまく拝借する方法とは何か

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 11時0分

春山:実際にアメリカでのアウトドア活動の事例などご存じでしたら教えてください。

窪田:アメリカでもトレッキング場所として人気の高いレーニア山は、標高2000mくらいにあるゲストハウスまで車で行けます。そして、その周辺はベビーカーや車椅子でも散策できます。そのくらい、老若男女どんな状況の人でも山を楽しめるよう整備されています。自然の中で過ごす、身体を動かすという行為が、日本より身近に気軽にできる環境が整っています。

春山:日本の登山人口は約500万人ですが、アメリカのアウトドア人口は国の人口の約半数である1億6000万人といわれています。

窪田:ナショナルパークの整備具合から違いますよね。子どもたちが学校で話す共通の話題にアウトドアがちゃんと入っています。ですから「みんなの話の輪に入りたいからアウトドアに行きたい」という流れにもなるのかもしれませんね。

窪田:アメリカでは子どもは屋外で遊んでいるほうが人気者で、いい育て方をしていると見られる傾向にあります。学校から帰宅してずっと家で勉強していると、「大丈夫?」とかえって周りの大人から心配されてしまう文化なんですね。

春山:なるほど。私が屋内というキーワードでもう1つ気になっているのが、コロナの影響です。あの2〜3年間、子どもたちが身体を動かす機会を相当奪われてしまいました。子どもの身体測定でも体力測定でも過去最低値を記録したと聞いています。

窪田:おっしゃるとおりですね。子どもの近視有病率もコロナ禍で確実に増えました。

春山:日本では他国に比べるとゆっくりコロナが明けていった印象を持っています。そのため、まだ当時の室内中心の生活様式や習慣が残っていると思います。

それは意識面でも同じようで、例えば思春期の子の中には、必ずしもマスクをしなくてもよくなったのに、マスクをしていないと恥ずかしいと思ったりする子が一定数います。 それは余暇の過ごし方にも当てはまるのではないでしょうか。だからこそ、より意識を持って外で遊ぶ、外に出ることが大事だと思います。

近視の抱えるリスク

窪田:そうですね。奇しくも、いかに屋外にいることが人間の身体にとって大事かがコロナ禍を通じてわかりました。コロナ禍前の通常モードに身体を戻す必要性をもっと強く発信していきたいですね。

春山:そうですね。近視有病率が上がっているのは、室内中心の生活になっていることと、屋外で身体を動かさなくなってきたことが原因として複合的に絡み合っていそうですね。

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