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真田広之「SHOGUN 将軍」ハリウッドに与えた変化 本作の日本人プロデューサーに話を聞いた

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 12時30分

とくに若い世代は、エキゾチックな外国といった意識の壁のようなものはなく、すんなりと自分たちの生活のなかに日本の文化を受け入れています。

ただ、本作の企画に関しては、ジョンとジーナが強烈に原作に惹かれたからのようです。この作品には、彼らのエンターテインメントへの感性と嗅覚を惹きつける魅力があったのでしょう。この題材を適切な人材と時間、予算をしっかりかけて、これ以上ない完成度の作品に仕上げることを目指しました。

これまでのハリウッドの感覚であれば、在米で英語を話せる日本人俳優をキャスティングし、英語のセリフにするところを、本作ではそれぞれのキャラクターにもっとも相応しい俳優をキャスティングして日本語の物語にし、“本物のドラマ”を追求したのです。

その結果、ハリウッドの映像製作におけるたくさんの扉を開く画期的な作品になり、大成功しました。いまの時代にこれを成し遂げたことに大きな意義を感じています。

――多面性のある作品だと感じました。日本をはじめアジアの人たちには吉井虎永(真田広之)の視点で見る歴史ドラマであり、欧米の人たちが按針(コズモ・ジャーヴィス)の視点で見れば、未知の世界へのサバイバルアドベンチャーかもしれない。見る人の属性によって物語性が異なります。配信ドラマとして、全世界を意識していたのでしょうか。

全世界でヒットを狙うのは、現実的ではありません。本作はアメリカのスタジオの作品ですから、やはり北米市場を意識しました。ただ、時代の流れもあると思います。ダイバーシティなどの意識が高まるなか、人種や文化を正当に表現しなくてはいけないし、そうでないと通用しない時代になりつつあります。

世界中の視聴者もその部分の保証を求めていますし、日本を題材にした作品で日本人が認めていないなら、興醒めされてしまう。そのため、クオリティーは世界を意識して突き詰めました。

――エミー賞での受賞を受け、北米での話題性の高さや、視聴数への感触はどのように感じられていますか。

ディズニープラスは数字を教えてくれないんですよ(笑)。でも、ニュースの数やSNSの反響など、たくさんの方に見ていただいていることは肌感覚として伝わってきています。

とくに『第76回エミー賞』受賞後は、北米の代表的なトークショー番組で取り上げられたり、露出が一気に増えました。やはりその影響は大きいですね。

ハリウッドでの日本に対する注目度の変化

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