1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

家電「エレクトロラックス」日本から静かに撤退? 公式サイトは商品購入ができず"開店休業"状態

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時10分

世界的家電メーカー「エレクトロラックス」の日本事業に異変が起きている(画像:同社HPより引用)

スウェーデンに本社を置く世界的家電メーカー・エレクトロラックス。同社の日本事業に異変が起きている。

【写真で見る】「この商品は再入荷しません」「在庫切れ」の表示が並ぶ、エレクトロラックス・ジャパンの公式サイト。単なる品薄状態とは違う異様さ

オシャレさを売りに日本でも掃除機や空気清浄機などの分野で人気を集めてきたが、今年限りで日本事業から撤退を前提にしているような動きがあるのだ。ただ、同社のHPや家電量販店の店頭などでは一切そういった告知はされていない。

同社を取り巻く状況を取材し、日本撤退の真偽に迫った。

新製品も「再入荷の見込みなし」

11月初頭、掃除機を買い替えようと、ネットで下調べをしていると、「エレクトロラックス」という外資系家電メーカーのサイトに目が留まった。

お目当ての商品が見つかったわけではない。なぜか同社の公式通販サイトは、全商品が購入できない状態になっていたのだ。

掃除機だけでなく空気清浄機など同社の主力製品も含め、ほとんどの製品に「在庫切れ」「この商品は再入荷しません」という表示があり、そういった表記が無い製品もカートに入れることはできず、定価が表示されているだけだった。

「NEW」の表示が施されている新商品も例外ではなく、単なる品薄状態とは違う異様さがあった。

エレクトロラックスは北欧スウェーデンに本社を置く、世界的な家電メーカー。世界約120以上のマーケットで年間およそ6,000万台の家庭用製品を販売しているという(同社HPより)。

そんな大企業が一体、どうしたのだろうか。

ネット上ではエレクトロラックス・ジャパン名で「日本における当社事業に関する重要なお知らせ」なる題名の文書を載せたXの投稿が見つかった。そこには取引先に向けて「来年1月1日で日本事業を停止する」旨が記されている。

エレクトロラックスに直撃

文書の真偽を確かめるべく、エレクトロラックス・ジャパンに問い合わせてみた。

しかし、お問い合わせフォームやメール、お問い合わせ窓口電話へ複数回時間を空けて取材を試みたが、「担当者に伝える」という回答しか得られなかった。

最終手段として日本本社のオフィスを訪ねたが、担当者につないでもらえず、受付では「担当者に確認中」の一点張りだった。

本社からの回答を待っていては埒が明かないので、周辺取材を進めることにした。

まずは、取引先に話を聞いた。エレクトロラックス・ジャパンの日本撤退に伴い、同社製品の取り扱いを終了すると公表している販売代理店が複数あったのだ。

取引先の一つに話を聞くと、

「撤退の事実は公表されていない(11月13日現在)ものの、どこかのタイミングで発表されるはず。2025年以降の修理対応は、まだ詳細が決まっておらず、エレクトロラックス・ジャパンと調整中」

との回答だった。

さらに、エレクトロラックス・ジャパンが日本で展開する高級家電ブランド「AEG」が、国内ショールームの予約フォームを公開していたため、ウェブ予約を入れたところ、ショールーム担当者からメールで返信があった。

「弊社は12/31をもちまして、日本での事業を撤退することになりました。そのため、ショールーム見学のご予約は受け付けておりません」

との返信が来た。重ねて「エレクトロラックスの家電も買えなくなってしまうのか」とメールで質問したところ、

「大変残念ながら、エレクトロラックス・ジャパンで販売していた製品は全てご購入できなくなりました」

と回答があった。こうした事実からも、日本事業の撤退は濃厚だ。

撤退モードだが、いまだ発表なし

ただ、見逃せないのは、消費者に撤退の時期を知らせず、現在も家電量販店等では販売を続けている点だ。

後編『撤退濃厚のエレクトロラックス、周知なしはアリ?』では、家電量販店に今後の保証やメンテナンスについて質問し得られた回答や、そもそも「ギリギリまで撤退を公表しない」のはアリなのか、経済産業省に聞いた答えを紹介する。

佐藤 隼秀:ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください