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スタバで「フラペチーノ」飲む人が知らない"真実"【再配信】 コーヒーじゃない「看板商品」を持つ凄さとは?

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時0分

ちなみに木更津にもばっちりスタバはある。しかも、市内に複数だ。

時代が下がっているとはいえ、モー子の願いはかなったわけである。いや、むしろ、かないすぎたと言ってもいい。もし、現実のデータに合わせて考えるなら、モー子の願いは、

「木更津に吉野家ができますように!」

と言ったほうが自然なのである。吉野家の店舗数は、スタバに遠く及ばない。

このモー子のセリフの中にこそ、スタバの矛盾がある。つまり、全国「どこにでもある」スタバがなぜか、「そこにしかない」特別感を持っているのだ。

コーヒーにこだわってるのに「フラペチーノ」という矛盾

それだけではない。スタバの矛盾は商品にもよく現れている。スタバをサードウェーブコーヒームーブメントのきっかけだとする考えは一定の妥当性がある。実際、スタバの実質的な創業者であるハワード・シュルツの自伝を読むと、スタバがそのコーヒーにいかにこだわっているのかが力説されている。シュルツはこう言う。

「われわれの使命は、すばらしいコーヒーの味を理解する人々を増やすと同時に、そうしたコーヒーに接し、楽しめる場所を広げることなのだ」(ハワード・シュルツ『スターバックス成功物語』)

シュルツは、スタバを創業させる前にイタリアにコーヒー留学ともいえる旅をしており、そこで出会ったイタリアのカフェ文化に感銘を受けて、これをアメリカで流行させることに使命感を覚えたという。

こうしたコーヒーへのこだわりは、シュルツ個人の想いを超えて、現在までも続いている。スターバックスコーヒージャパンの現在のミッションステートメントには「人々の心を豊かで活力あるものにするために—ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」とある。

ここにもしっかり「コーヒー」という言葉が入っているのがわかるだろう。コーヒーへのこだわりこそ、スタバの1つの軸を作っているといってよい。

しかし、スタバによく訪れる人がいるなら思い浮かべてほしい。今のスタバが強く押し出し、いつも話題になっている商品はなんだろうか?

それはフラペチーノである。氷菓子を表す「フラッペ」にイタリア語風の接頭辞がついているこの商品は、現在のスタバの中核を成す商品で、月ごとに売り出される限定味は、スタバユーザーの中でも大きな話題となる商品の1つだ。メロンがふんだんに使われた「The メロン of メロン フラペチーノ」や、全国各地の名産品が使われたフラペチーノはSNSなどでも大きな話題を呼んだ。

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