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「足場固め」のトヨタ、26.4%減益は自信の表れ ソフトウェア時代を見据えた顧客接点も強化

東洋経済オンライン / 2024年11月18日 7時50分

トヨタ自動車の2025年3月期上期決算(2024年4~9月)は営業利益が前年同期比3.7%減、最終利益は同26.4%減となった。ただ、「足場固め」を優先した結果で稼ぐ力が衰えたわけではなさそうだ(撮影:梅谷秀司)

「決して厳しい決算とは思っていない。毎日毎日一歩でも強くなることをやった結果が、2兆円を超えた実績を出したのは去年と今年だけだ」

【写真】宮崎副社長の言葉からはトヨタが余力を残していることがうかがえる

トヨタ自動車は11月6日、2025年3月期上期決算(2024年4~9月)を発表した。売上高に当たる営業収益が前年同期比5.9%増の23兆2824億円、営業利益は同3.7%減の2兆4642億円、最終利益は同26.4%減の1兆9071億円だった。

この結果について決算会見の場で「減益となり厳しい決算では」と記者から問われた山本正裕経理本部長は冒頭のようにコメントした。

この上期が順風満帆だったわけではない。6月にトヨタ本体でも量産に必要となる「型式指定」の認証不正が発覚。この影響で複数車種の生産が停止した。中国の販売苦戦なども影響し、トヨタ・レクサスブランドの販売台数は前年同期比2.8%減の502万台となった。

意図的な「足場固め」の側面も

ただし、販売台数の減少は「足場固め」(宮崎洋一副社長)と称してあえて生産ペースを減速した側面もある。トヨタ本体や部品メーカーに余力を作ることで、生産・開発現場の改善や見直しに当てる活動を進めるためだ。

営業利益の増減要因を個別に見ると、マイナス要因として台数・構成によるものが1400億円、部品メーカーや販売店への経営支援1150億円、人件費を含む諸経費増で2800億円、日野自動車の北米での認証関連費用2300億円といったマイナス要因がかさんだ。が、前述のように台数減は足場固めの側面があり、経営支援もサプライチェーン全体への強化策と位置付けることができる。

マイナス要因がかさむ中、営業利益が3.7%の微減にとどまったのは円安による利益押し上げ効果が6100億円あったことが大きい。とはいえ、トヨタのお家芸でもある原価改善で2100億円、グローバルでの価格改定効果といった「営業面の努力」800億円などプラス要因も着実に積み上げた。

営業利益に比べ最終利益の落ち込みが大きくなったのは為替差損によるもの。9月末の為替相場が相対的に円高へと振れていたため、前年同期比で4000億円以上の利益悪化要因となった。

冒頭の山本本部長のコメントからは自社の稼ぐ力に対する自信を深めている様子がうかがえる。

通期業績予想は営業収益が前年度比2%増の46兆円、営業利益は同19.7%減の4兆30000億円、最終利益は同27.8%減の3兆5700億円と減益となる従来予想を据え置いた。

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