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街中充電サービスが「推し活市場」に新たな選択肢 全国4万台の設置網を広告事業に活用へ

東洋経済オンライン / 2024年11月18日 10時0分

街中のスマホ充電器で“推し活”できるサービス「CheerSPOT(チアスポット)」をINFORICHが発表した(筆者撮影)

1台420円から、好きなアーティストを応援できる。モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」を展開するINFORICHは11月7日、新たなサービス「CheerSPOT(チアスポット)」を発表した。

【写真で見る】アーティスト公認の推し活広告を放映する

全国4.4万台のバッテリー貸出機に搭載されたデジタルサイネージを活用し、個人がアーティストへの応援メッセージを発信できるプラットフォームで、アーティスト、ファン、地域をつなぐ新たな経済圏の構築に挑む。

“推し活”広告のファンカルチャー

国内で月間100万人が利用するチャージスポットは、設置台数がコロナ前の12.7倍となる4.4万台まで拡大。全国のコンビニエンスストア数に迫る規模で、3100社以上の企業がパートナーとして参画している。

「バッテリーシェアリングは一手目の事業です」とINFORICHの秋山広宣社長は語る。「ハードウェア、ソフトウェア、サービスの3領域を展開できることが我々の強みです」

この強みを活かし、チャージスポットは単なる充電インフラを超えた展開を見せる。その一環として発表されたのが、デジタルサイネージを活用したファン活動支援サービス「チアスポット」だ。

INFORICHの新サービスには、ファンカルチャーの新潮流が背景にある。韓国発祥の「センイル広告」と呼ばれる現象だ。「センイル」とは韓国語で「誕生日」を意味し、ファンが好きなアーティストの誕生日を祝うために駅や街頭の広告スペースを借り切り、祝福メッセージを掲出する文化だ。

韓国メディアITChosunの報道によると、韓国でのセンイル広告の件数は2014年にわずか76件だったものが、2019年には2166件まで急増。ソウル交通公社の関連広告収入は年間440億ウォン(約46億円)規模にまで成長しているという。この現象は、近年日本でも広がりを見せており、JR東日本企画(jeki)が広告プラットフォーム事業に参入するなどの動きがある。

循環型エコシステムの構築へ

しかし、従来の市場には大きな課題があった。秋山氏は、その問題点をこう指摘する。

「こうした広告は、ビルボードに推しの広告がボーンと打たれてファンは満足します。ただ、実はアーティストとしては事務所公認ではなく、アーティスト本人が喜ぶから事務所は目をつぶっているだけ。サードパーティーのビルボードが儲かるだけで、実は誰にも還元できていない」

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