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いくら乗っても、「同じ府県から出られない」列車 長野発飯田行きは所要時間4時間43分もかかる

東洋経済オンライン / 2024年11月19日 6時30分

日中は1時間に1本ほどの頻度で運行されるこの列車の大きな特徴は、徳山や新山口など、大きな駅で長時間停車する列車が多いことだ。山陽本線は全線複線なので列車の行き違いのために長時間停車する必要はない。また特急列車も走っていないので、特急の通過待ちで長時間停車ということもない。が、ほかの路線や、新幹線の接続の関係もあるのだろう。多くの列車がこの2つの駅のどちらかで15〜20分ほど停車する。長いものだと30分ほど停車するものもある。そのため、全区間走破の時間は3時間11分〜4時間と大きなばらつきがある。

南北に長い長野県の広さを感じることができるのは信越本線の長野を6時31分に出発する飯田行の普通列車。列車は長野県の北部に位置する長野から南下。松本、塩尻、岡谷、伊那、駒ヶ根を通り、終点、飯田線の飯田に到着するのは11時14分。4時間43分走り続けてもまだ長野県だ。ちなみに飯田から長野へ行く列車も運行されている。こちらは飯田から岡谷の間を快速として運行するため、所要時間4時間13分と普通列車より30分早い。

長野ー飯田間は高速バスも走っているが、高速を経由するバスでも所要時間は3時間09分〜3時間22分。長野県はとにかく南北に広いのだ。

長野県同様、南北に長いのが宮崎県。この県の長さを実感できるのが日豊本線の延岡を7時35分に出発する西都城行の普通列車。宮崎県内で3番目に人口が多く、県北部最大の街である延岡を出て、県庁のある宮崎を通り、県で2番目に人口が多い県南部最大の街都城へと向かうこの列車が終点の西都城に到着するのは10時54分。県内移動にもかかわらず所要時間3時間19分の長旅だ。

徳島県で1日1本だけ走っている「乗っても乗っても」列車は阿波池田を19時05分に出発する牟岐行の普通列車。徳島線、牟岐線を走るこの列車が終点の牟岐に到着するのは23時30分。所要時間4時間25分。暗闇の中を走り景色が見えない分乗っている時間が長く感じられるこの列車。駅に到着するたびに駅名標に記された「徳島県○○市」「徳島県○○町」という文字を見続ければ徳島県の広さを実感するだろう。

特急列車でも県の広さを実感できる

特急列車でも県の広さを実感できるのが「特急あしずり7号」。土讃線の高知を15時49分に出発する列車は高知県の南西方向へ。途中の窪川から土佐くろしお鉄道中村・宿毛線に乗り入れて17時59分に宿毛に到着する。所要時間は2時間10分。新宿駅から特急あずさに乗車した場合、長野県の上諏訪に到着する時間だ。

同じく特急で広さを感じることができるのは「特急はしだて」。京都から山陰本線、京都丹後鉄道の宮福線、宮豊線を通って天橋立へ向かう列車。最初から最後まで京都府から出ないこの列車の京都ー天橋立間の所要時間は2時間2分〜2時間19分。京都というと、京都市周辺の風景を思い浮かべる方が多いと思うが、この列車に乗ると京都の広さ、京都の新たな魅力を発見できるだろう。

早朝出発のものや、1日1本のものなど、地元に住んでいなければ乗車するのが大変なものもあるが、乗客や風景の移り変わりから感じることができる県内、府内の文化の多様性を感じることができそうな「乗っても乗っても」列車。一度乗ってみてはいかがだろうか。

渡辺 雅史:時刻表探検家

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