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東大生の会話の中に「要するに」が出てこないワケ【再配信】 なぜ話がわかりやすい?ノートにもコツがある

東洋経済オンライン / 2024年11月21日 14時0分

マンガにも例がありましたが、東大入試の国語や英語では本文の要約問題が毎年出ますし、そのほかもほとんどが記述形式です。解答スペースや文字数の指定も巧みに設計されていて、少しでもムダなことを書くとすぐに字数が溢れてしまいます。

そのため、論理構成や言葉の選び方に敏感にならざるをえません。こうしたなるべく簡潔に要点をまとめようとする意識が、普段の会話にも自然と反映されているのですね。

会話の中で「要するに」が出てこない

実際によく観察していると、1つ面白いことに気づきました。みんな会話の中で、「要するに」というワードをほとんど使わないのです。相手の話を受けて「つまり○○ってことだよね」と返すことはあっても、自分で話しているときに「要するに」とは言いません。なぜかというと、最初から話を「要して」いるからです。順序立てて話がまとめられているので、「要するに」と言う必要がないのですね。

また、簡潔にまとめる意識が表れているのはノートでも同じです。東大生のノートを見ると「=」「→」「←」「⇔」といった記号がよく目につきます。

これらは先ほどのマンガにあった同等関係、対比関係、因果関係を表すものです。「=」は同等、「⇔」は対比、「→」は話のつながりや展開、「←」は原因や理由を表しています。これらの記号を使って、情報を見やすく整理しているのです。

1つ簡単な例を見てみましょう。「19世紀以前と比べて、20世紀は大気中の温室効果ガスの量が増えたために地球温暖化が進行し、海水面の上昇や異常気象の発生などさまざまな影響が出た」という文があるとします。

先ほどの「=」「→」「←」「⇔」の記号を使うと、どんなふうに整理できるでしょうか?

順に並べると、「19世紀以前⇔20世紀」、「温室効果ガスの増加→温暖化の進行」、「温暖化の進行←さまざまな影響」、「海水面の上昇=異常気象の発生」といった形になると思います。このように要素を分解し、互いの関係をつかむと情報の解像度が上がるでしょう。

東大生は会話中でも文章を読んでいるときでも、頭の中に「=、→、←、⇔」の記号を浮かべながら、情報を整理している感覚があります。つねに「要するに何?」と、最短距離でポイントをつかもうとしているのです。

要点をつかむスピードも上がる

この感覚が身につけば、余計な情報をそぎ落として、人に自分の考えをわかりやすく伝えることができるようになるはずです。

また、物事の要点をつかんで理解するスピードが上がり、結果的に勉強の効率もよくなるでしょう。思考力を鍛えるトレーニングとして、ぜひ参考にしてみてください。

青戸 一之:東大卒講師・ドラゴン桜noteマガジン編集長

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