「フィンランドで個人事業主」現在進行形のリアル 寿司シェフから一転、始まった新しい暮らし
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 17時0分
シェアオフィスで働く人たちの姿を見ると、まるで「架空の同僚」ができたようで嬉しい。さらにオフィスの利用は8時から17時までというホワイトな営業時間も良い。
17時前になると次々と帰っていく「架空の同僚たち」を見習って「私も今日は一区切りつけて、また明日頑張ろう!」と、席を立って街に出る。
フィンランドの起業家支援
シェアオフィスでは、定期的に利用者向けのイベントが開催されている。
朝ヨガ、クリスマスパーティーに、子供向けイベントや毎週開催される仕事終わりのアフターパーティーもある。こうしたシェアオフィスでもコミュニティの輪を広げることが可能だ。
またフィンランドでは起業家支援も充実している。
フィンランドで個人事業主になる時にお世話になったビジネスアドバイザーさんの団体からは、定期的にイベントの案内やフィンランドで働く上で役に立つ情報がメールで送られてくる。
あるとき「クリエイティブな仕事をする人向けのイベントです」と案内された2日間のイベントに、勇気を出して参加してみた。
まず名前と職業を書き、好きな席に座る。同じテーブルになった人とは、お互いのネームプレートを見ながら自己紹介をする。
同じテーブルになったメンバーの職業欄に書かれていたのは「画家」「ブローチ作家」「熱中する人」という3人で、とてもクリエイティブだった。
会場には、フィンランドでケータリング事業を立ち上げたオーナーさんによるサンドイッチやスイーツのケータリングが並んでいた。実際に事業を行う個人事業主にとっても、自分のビジネスを知ってもらう貴重な機会になっているようだ。
イベントではパネリストのプレゼンを聞くだけでなく、自分たちがディスカッションに参加しながらグループで行うワークショップもあった。
内容は「AIの発達によるクリエイティブ業界への影響は?」「もし自分が50代の男性向けに新しいビジネスを立ち上げるとしたら?」など、用意されたテーマに沿ってグループで話し合う。異なる視点を学ぶ貴重な機会になった。
イベントの中では個人事業主が無料で頼れる様々な支援団体の紹介も行われた。政府、自治体、大学など、様々な機関によってワークショップや、交流会、企業への紹介などが毎月行われていることを初めて知った。
「あなたはひとりではないし、頼れる場所は沢山ある」。そんなメッセージが改めて心に残った。
またイベントに参加して思わぬ「ギフト」となったのが、イベント参加者によるオンラインコミュニティだった。
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