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マスコミがほとんど報じない「維新代表選」の実態 "大阪主導"に「東京組」不満、万博も重荷に

東洋経済オンライン / 2024年11月22日 10時0分

(写真:時事)

日本維新の会の代表選が17日に告示され、12月1日の投開票に向けて、吉村洋文大阪府知事(49)、金村龍那衆院議員(45)、空本誠喜衆院議員(60)、松沢成文参院議員(66)=届け出順=の4氏が出馬し、党再生を巡る論戦を展開している。

今回代表選は、「10・27衆院選」敗北に伴う馬場伸幸代表(59)の辞任表明を受けたもので、衆院選での自公過半数割れを踏まえての「国政政党としての維新の在り方」が最大の争点となっている。

ただ、大阪維新の会代表で維新共同代表も務め、党内での支持が圧倒的とされる吉村氏の当選が確実視されるため、主要メディアは代表選をほとんど“無視”する構えで、早くも「吉村新体制」を前提に、「自公政権との距離」や「野党連携の在り方」に関する吉村氏の対応について取材を進めているのが実態だ。

そうした中、吉村氏は同党創始者の橋下徹、松井一郎両元大阪市長の後継者として、同党の中核となる「地域政党・大阪維新の会」を率いてきただけに、吉村新代表となれば「大阪主導の党運営が一段と加速する」(党幹部)との見方が少なくない。

その一方で、衆院選で枕を並べて討ち死にした音喜多駿前政調会長(41)や小野泰輔前参院議員(50)ら“東京組”は「全国規模の国政政党を目指すという基本戦略に逆行しかねない」との不満を募らせているとされ、党内には「吉村氏の対応次第で“東西対立”が激化し、党崩壊への新たな火種にもなりかねない」(同)との不安も広がる。

創始者・松井氏の「萩生田氏応援」が手痛い打撃に

維新は「10・27衆院選」で、大阪全19選挙区で勝利する一方、東日本の小選挙区では全滅し、比例代表で約300万票も得票を減らしたことで、公示前の44議席が38議席に落ち込んだ。しかも、衆院選後の各種世論調査の政党支持率では、衆院選で議席4倍増と大躍進した国民民主党に抜かれ、野党第3位に転落しつつある。

そもそも維新は、今回衆院選で「野党第1党の獲得」を大目標に掲げ、小選挙区は前回衆院選の1・7倍にあたる163人を擁立した。それだけに、吉村氏は敗北直後から「結党以来最大の党存亡の危機」として、馬場氏ら党執行部の責任を厳しく追及。これに対し、続投に強い意欲を示していた馬場氏も、吉村氏らの「辞任要求」に抗しきれず、藤田文武幹事長(43)と共に退任表明に追い込まれたのが実状だ。

なかでも、選挙戦で馬場氏ら党執行部に対する大きな打撃となったのが、「裏金議員の筆頭格」とされた萩生田光一元自民党政調会長が出馬した東京24区で、党創業者で前維新代表の松井氏が萩生田氏の応援演説に駆け付けたことだ。同区には維新が候補者を擁立していただけに、党内からは「裏金の象徴みたいな萩生田氏の応援はあり得ない」との声が噴出した。

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