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「人生の後半」を楽に過ごすために手放すもの3つ 習慣を捨てることで発見できるものもある

東洋経済オンライン / 2024年11月24日 10時30分

しかし、もしあなたが、家計簿を続けてきたおかげで、身の程を知り、身の丈に合わせた暮らしができるようになっているのだとしたら、そろそろ家計簿じまいをしてはいかがでしょう。頭の体操ならまだしも、自分の暮らし方をチェックするために、10円、100円単位でつける家計簿の役割は終わったと考えていいのです。

家計簿をつけないとわからないような浪費は、もうしていないでしょう。家計簿をつけないと、節約できないわけでもないでしょう。家計簿をつけて、貯蓄のモチベーションを高める必要もないでしょう。

昭和の時代の八百屋さんが、店内に籠をぶらさげてお金の受け渡しをしたり、平気でおまけをくれたりしていたように、これからの人生は大雑把などんぶり勘定でおおらかに生きても、お天道さまはニッコリ笑って見守ってくれます。

一瞬の不注意で身を滅ぼし、悪名を広げる前に

高齢者の運転する車の事故が問題になり、自動車運転免許証の自主返納制度がスタートしたのは、平成10年(1998)でした。警視庁の統計では、制度開始から25年が過ぎた令和5年の返納者は、75歳未満が12万人、75歳以上が26万人で、合計38万人ほどです。

とても、便利な自動車ですが、重量は1トンをこえ、馬60頭以上の力があります(軽自動車はメーカーの自主規制で64馬力以内)。これをコントロールできなければ、凶器に等しいと言えるでしょう。

お釈迦さまの遺言といわれる『遺教経(ゆいきょうぎょう』には、欲についての1節があります。

「戒をたもって心おだやかな生活をするには、まず自分の眼・耳・鼻・舌・身の五感の欲を知り、その欲をコントロールしなさい。五感の欲とは、見たい、聞きたい、嗅ぎたい、食べたい、触りたいという欲です。この5つの欲は、生きるために必要ですが、杖で牛を誘導するように、轡(くつわ)で馬を御(ぎょ)すように制御していかなければなりません。杖なき牛や、轡なき馬は、意のままにふるまって害をなすことがあるからです。

五感の欲も、同じように抑制する術がないと害を及ぼします。その被害の大きさは、身を滅ぼし、悪名を広げ、一時にとどまらず、代々まで害が及ぶことになるのです」(名取訳)

「運転」という習慣を捨てることで新たな発見も

お釈迦さまの言う欲と高齢者の運転が同じとは言いませんが、他人の命にかかわる事故を起こせば、「その被害の大きさは、身を滅ぼし、悪名を広げ、一時にとどまらず、代々まで害が及ぶことになる」に、身が引き締まる思いがします。

ウインカーを間違って出したり忘れたりする、歩行者や他の車に注意がいかないことがある、車庫入れのとき、塀や壁をこすることが増えたなど「若い頃とちょっと違うな」「おかしいな」と感じたら、自主返納を考える時期です。

免許を返納しても、免許証とほぼ同じデザインの運転経歴証明書の交付を受けて所持していれば、タクシー、バス、美術館、飲食店の料金割引や、金融機関の利息特典などが受けられます。

「免許があれば身分証明書がわりになる。実際に運転さえしなければ、免許を持っていても問題はない」と考えるかもしれません。しかし、免許証を持っていて運転しないのと、免許を自主返納するのとでは、決意の強さが格段に違います。

バスや電車で、あるいは徒歩で、時間をかけてでも、自分の足で歩いてみるのを新しい習慣にする決意をしてみませんか? そこにも、新たな喜びや発見があるものです。

名取 芳彦:元結不動 密蔵院住職、作家

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