UUUMを上場廃止させるオーナー会社の腹づもり 買収後も業績は低迷、2度目のTOBに至った深層
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 8時0分
華々しいデビューから7年余り、国内最大手のYouTuber事務所が株式市場を去る。
11月14日、広告関連サービスなどを展開するフリークアウト・ホールディングスは、傘下の大手YouTuber事務所・UUUMに対し、完全子会社化を目的とするTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。これによってUUUMは早ければ2025年3月にも上場廃止となる見込みだ。
フリークアウトは2023年9月、インフルエンサーマーケティング市場への進出を目的に、TOBによって約77億円でUUUMを買収(詳細はこちら)。現在は同社が発行する株式の50.9%を保有している。2度目となる今回のTOBで残りの株式を買い集める。
フリークアウトの発表と同日、UUUM側もTOBに賛同し、株主に対して応募を推奨すると公表した。買い付け期間は11月15日から12月26日まで。買い付け価格はリリース前日の終値363円から46%のプレミアム(上乗せ幅)を付けた1株532円で、フリークアウトは約53億円を投じる。
創業わずか4年で上場を果たすが・・・
UUUMは創業からわずか4年後の2017年8月に、東証マザーズ(当時、現・東証グロース)に上場。YouTubeの人気の高まりとともに急成長を遂げ、2019年には時価総額が1000億円を突破した。
しかしその後は収益柱であるアドセンス(YouTube広告)収入の伸び悩みなどから業績が低迷し、株価はピーク時の10分の1以下に沈んでいる。
フリークアウトは2023年の買収以降、自社のノウハウを生かしたYouTube動画のデータ解析やファン層の分析、管理部門統合によるコスト削減など、UUUMとのシナジー創出に向けた施策を推進。UUUMの上場企業としての独立性を尊重しつつ、同社の収益を押し上げる算段だった。
ところがUUUMの2024年9月期(16カ月の変則決算)は売上高275億円と、前年同期比8.9%の減収に陥ってしまう。ショート動画の隆盛やクリエイターとの契約形式変更により、アドセンス収入は徐々に減少。さらにインフルエンサーマーケティング市場の競争環境が激しくなる中で、タイアップなどのマーケティング事業も落ち込んだためだ。フリークアウトは営業統括の経験がある役員をUUUMに送り込むなどマーケティング事業のテコ入れを図ったが、効果が出るまでに時間を要している。
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