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「京急」「京成」に照準定めた旧村上ファンドの思惑 2006年の「阪急・阪神合併」の再現を想起

東洋経済オンライン / 2024年11月25日 7時50分

京浜急行電鉄(上)は羽田空港、京成電鉄は成田空港へのアクセス線を抱えている(上写真:piccolo / PIXTA(ピクスタ)、下写真:記者撮影)

都心から横浜、横須賀、羽田空港などへと延びる京浜急行電鉄(京急)。東京と千葉、成田空港を結ぶ京成電鉄。

【データを見る】京急と京成の営業収益や営業利益、総資産の規模はほぼ同じ

この関東私鉄大手2社の株式を、アクティビスト(物言う株主)として知られる旧村上ファンド系の投資会社が保有した。ある市場関係者が東洋経済の取材で明かした。

京急株の保有比率はすでに5%近く

「京急の株式を買い出したのは最近。あと少しで保有比率が5%を超える水準になる」(市場関係者)

京急が11月8日に提出した2024年度の半期報告書には、9月30日時点で同社株式の1.27%以上を持つ大株主が記載されている。そこに旧村上ファンド系の名前はないことから、10月以降に保有株式を増やしていると見られる。

一方、京成については「保有比率はまだ1%未満と小さい。ただ、本気でプレッシャーをかけるために今後10~20%まで買い上げていくことは考えられる」と市場関係者は語る。株付けしたのは最近のようだ。

旧村上ファンドの流れを組む投資会社は複数ある。村上世彰氏の長女である野村絢氏が株を取得するケースもある。今回はどのような座組で2社に株付けしているのかは現時点では不明だ。

2社にコメントを求めると次のように答えた。京急は「基本的に特定の株主に関することは回答を差し控えさせていただいている」(広報担当者)。京成は「現時点では事実を把握してない」(広報担当者)。

旧村上ファンドによる鉄道会社への過去の投資案件といえば、阪神電気鉄道を思い浮かべる人も多いだろう。村上ファンドが阪神の筆頭株主になったことをきっかけに、阪急ホールディングスが阪神株のTOB(株式公開買い付け)に乗り出し、2006年に阪急阪神ホールディングスが誕生した。

ライバル関係にある阪急と阪神が統合したことは私鉄関係者には衝撃的で、今でも「ビッグバン」(関西の私鉄関係者)と称されるほどだ。

このような過去があることから阪急・阪神合併の再現を予測する見方もある。「『京急は京成と一緒になれ(統合しろ)』と要求されるのではないか」。市場関係者はそう見通す。

2社に共通する課題とは

京急と京成の事業規模はほぼ同じだ。営業収益や営業利益、総資産の規模などは似通っている。折しも、両社ともに業績好調だ。京急は羽田空港、京成は成田空港からのアクセス線を抱えている。訪日外国人の増加を受けて、観光客の鉄道利用が増えている。

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