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結党60年の公明党「つなぎ役」斉藤代表の苦悩 来夏の「政治決戦」、党勢回復に"進退"を懸ける

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 8時20分

一方、西田氏(埼玉選挙区当選4期)は、参院議院会長、選対委員長などを歴任した党内実力者で、岡本氏は「将来の代表候補」と目される党内若手の有望株。これにより、斉藤新体制は「中枢を党内有力者で構成する強力布陣」(党幹部)となった。

これを踏まえ、石破首相は11月11日召集の特別国会冒頭での首相指名を受けて発足させた第2次石破政権では、公明党の意向に従い、斉藤氏に代わる国土交通相に中野洋昌・元経済産業政務官(46)を起用した。

これらに先立つ衆院選で、公明党は自民党の巨額裏金事件に関わった候補者35人を推薦、しかもその中には2人の自民党非公認候補も含まれていた。もちろん、公明党の狙いは、同党が公認候補を擁立した小選挙区や比例代表での自民票獲得だったが、「誰が見ても“党利党略”そのもの」(選挙アナリスト)だったため、「多くの有権者から裏金事件の自民党と“同じ穴のむじな”とみなされ、さらなる得票減につながった」(同)のが実情だ。

「政資法再改正」でも際立つ自民への配慮と忖度

こうした経過にもかかわらず、公明党は「政治とカネ」を巡って11月15日にまとめた政治資金規正法再改正要綱案で、野党が強く求める「企業・団体献金の禁止」に踏み込むことは避けた。斉藤氏自身が「廃止しても問題ない」との見解を示していただけに、「連立を組む自民党への配慮と忖度ばかりが際立つ」(立憲民主幹部)と批判されても反論しようがない対応だ。

衆院選後のこうした公明党の一連の動きの背景には、「来夏の参院選や都議選のことを考えると、選挙での自公協力の維持・強化が必要」(党選対)との判断があることは間違いない。だからこそ、「立党の原点への回帰は、当分棚上げせざるを得ない」(政治ジャーナリスト)ことになり、それが斉藤代表の「苦悩」につながっているのだ。

そもそも公明党にとって、今回衆院選で代表就任直後の石井氏が、初挑戦の埼玉14区で落選したこと自体が「全く想定外」(党幹部)だった。このため、後任の人選は当初、斉藤、岡本両氏に加え、山口氏の再登板までも取り沙汰されるなど迷走を極めたが、「最終的には、自民中枢を含め与野党に幅広い人脈を持つ斉藤氏に白羽の矢が立った」(同)のが実態。斉藤氏が、前首相として石破政権の「後見役」となっている岸田氏と同じ広島県選出の初当選同期組として、親交を深めてきたことも背景にあるとみられている。

「広島3区」問題も自公連立の“厄介な火種”に

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