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「体重が20kg増加」兒玉遥さん、うつの過酷な体験 「アイドルの重圧が⋯」華やかな世界の裏側で

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 9時1分

毎日「涙が溢れてくるし、苦しいし、仕事には行きたくないし……」と葛藤を抱えたままの活動で、兒玉さんは絶望を噛み締めていた。

苦しさを抱えたままの日々で唯一、幸せを感じられたのが食事だった。

しかし、1キロもある大容量のクリームチーズにハチミツを大量にかけていっきに食べるなど、食生活は荒れるばかり。

約半年で、体重が「20キロ」も増えた。

「ビジュアルへのコンプレックスがあったので、痩せたいとは思っていました。でも、歯止めがきかなかったんです。うつ病だったのに、ご飯のおいしさは感じられて。おいしいものを食べているときだけは、心が解放されていました」

21歳となって、もう何もかも限界だった。

そんな兒玉さんに対して、スタッフは「ゆっくり休んで。はるっぴ(兒玉さんの愛称)が戻りたいタイミングで、声をかけてくれればいいから」と提案。その心意気には「優しさ」を感じたという。

田舎町で「縛られた小さな世界」から離れて

2017年12月からの、再びの休養はドクターストップによる初めての休養とは違った。「自信がなく、仕事も続けられないと自分で認めた上での決断だったので、とことん休めました」と兒玉さんは笑う。

ごく普通の「健康的な生活」を送るために、兒玉さんは地元の福岡県から離れて、宮崎県の田舎町にある祖母の自宅へと身を寄せた。

「町で暮らす人たちにはそれぞれの生活があり、みんな、精一杯生きていると知ったら『案外、他人は自分を気にしていない』とわかったんです。人気が数字で評価される世界で必死に生きようとしていたけど、違う価値観にふれたら、気分もラクになって。活力が湧いてきたので、運転免許や資格をとりました」

アイドルの世界は一見、華やかに見える。しかし、物事には光と陰があるのも真理だ。14歳から駆け抜けてきた世界から一時的に離れた兒玉さんは「縛られた価値観の小さな世界で生きていた」と悟った。

昨今、精神面での不調を理由に、アイドルが活動休止するケースも目立つ。アイドルとうつ病、いずれも経験した兒玉さんは「アイドルは特殊な仕事」と達観する。

「14歳でアイドルになった私のように、社会人経験もなく、大人の世界に飛び込むと大きなプレッシャーもかかると思うんです。握手会の売り上げやSNSのフォロワー数に基準はなく、数字を周囲と比較される環境ならではの負荷もあって。本来は『元気にそこへ立っているだけで、人を笑顔にできる仕事』のはずなのに、私は、それすらも気づけなかったです」

うつ病を明かした今「しっかり歩いてこられた」

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