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中国の国産旅客機「C919」、受注数が1200機突破 珠海航空ショーで60機追加、生産力の増強急ぐ

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 18時0分

中国の国産旅客機「C919」はボーイング737型機とエアバスA320型機をベンチマークに開発された。写真は中国東方航空に納入された第1号機(同社ウェブサイトより)

中国が独自開発した初の幹線用旅客機「C919」の受注が好調だ。国有航空機メーカーの中国商用飛機(COMAC)は11月12日、広東省珠海市で2年に1度開催される大型航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)」の開幕日に、民営航空大手の海航航空集団と60機のC919の追加購入契約を結んだと発表した。

【写真】中国商用飛機が開発を進める国際線向けワイドボディ機「C929」の完成予想図

海航航空集団はすでに40機のC919を発注済みで、今回の追加分を合わせた契約数は100機となる。これにより、中国商用飛機が三大国有航空会社(中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空)および海航航空集団から獲得した受注は合計1200機を突破した。

2023年5月から商用運航

C919は客室内の通路が1本の「ナローボディ」機で、座席数は158~192席。中国商用飛機がアメリカのボーイング737型機と欧州のエアバスA320型機をベンチマークに開発し、2022年9月に中国民用航空局から耐空証明(訳注:航空機の安全性について国の基準に適合しているという公的な証明)を取得した。

第1号機の納入先となった中国東方航空は、C919の商用運航を2023年5月に開始。これまでに中国東方航空に8機、中国国際航空に2機、中国南方航空に2機の合計12機が納入され、中国の国内線で活躍している。

2024年4月には海航航空集団の子会社の金鵬航空が、同社にとって初のC919を10~12月期に受領すると発表した。金鵬航空は保有機材を段階的に入れ替え、3~4年後にはC919に統一する計画だ。

増加する受注に対応するため、中国商用飛機はC919の生産能力増強を急いでいる。財新記者の取材に応じた関係者によれば、現時点では年間10機以上を生産可能で、2025年には第2工場の本格稼働を予定している。将来的には年間生産能力を30~50機に引き上げる計画だ。

中国商用飛機は(C919に先駆けて開発した)100席クラスの支線用旅客機「C909」の受注も好調だ。C909は以前の「ARJ21」を改名したもので、珠海航空ショーでは海航航空集団から40機、地方航空会社の多彩貴州航空から30機を受注した。

国際線向け「C929」も開発

さらに、開発中の長距離線用旅客機「C929」にも大きな進展があった。中国国際航空が第1号機を購入する意向を固め、中国商用飛機との枠組み協定に署名したのだ。

C929は客室内の通路が2本の「ワイドボディ」機で、標準仕様の座席数は280席。最大1万2000キロメートルの航続距離を生かし、国際線の旅客輸送ニーズに応えることを目指す。

中国商用飛機の予想によれば、中国の航空旅客輸送量は今後20年間、年平均5.3%のペースで増加する。それとともに中国の航空会社の保有機材数も増加を続け、2043年には1万機を超える。

仮に予想通りに推移すれば、中国は(アメリカやヨーロッパを抜いて)世界最大の航空輸送市場になる可能性があり、国産旅客機のビジネスチャンスは非常に大きい。

(財新記者:鄒暁桐)
※原文の配信は11月12日

財新 Biz&Tech

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