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「ネットで情報追う人」に伝えたい"新聞のススメ" SNS全盛期だからこそ紙の新聞の重要性高まる

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時20分

若い世代では「紙の新聞」の存在感はさらに小さくなります。10代の利用はわずか7.9%。20代は10.1%、30代は18.7%、40代ですら30%にとどまります。50代でも5割を切り、60代で6割とようやく「新聞を読む人」が多数派になります。

つまり今、「最低これくらいは」という情報を網羅したメディアの利用者がどんどん減っているわけです。

裏返せば、特に若い人たちは「紙の新聞を読むだけで同世代の中で情報強者に楽勝でなれる」という状況が生まれています。そして、新聞を読むなら、ネット版ではなく「紙の新聞」一択なのです。

紙の新聞は消えゆくメディア?

これだけ新聞を推している私ですが、お恥ずかしいことに長年、「紙の新聞」を過小評価していました。記者としてもネット(日経電子版)向けに書くことを優先し、「紙の新聞は消えゆく『昭和』のメディア」と決めつけていました。

見方が変わったのは日経を退職した後でした。現役記者時代は1日数時間をメディアチェックやリポートの読み込みに費やしていましたが、退職後はそこまで時間を割けなくなりました。

そして情報のシャワーから抜け出すと、日々のニュースをバランスよく取得するのがとても難しいのに気づきました。ネットでは情報が偏るし、守備範囲を広げると時間がどんどん溶けていきます。リンクをたどって脇道にそれる誘惑も強いのです。

ネットメディアはトラフィックが命なので、好奇心や、嫉妬、怒りなどの感情を操作して、情報を追いかけたくなる人間の意識を利用します。たとえ時間の無駄だとわかっていても、アプリやSNSを開いてしまえば、なかなかあらがえないのです。

ピンチを救ってくれたのは「紙の日経新聞」でした。退職して数カ月後、朝食時にパラパラとめくるようになって、「紙の新聞って、こんなに便利だったのか」と驚きました。情報収集の効率がネットよりはるかに高いのです。今は新聞で全体をカバーしてネットで補足するスタイルでニュースをチェックしています。

紙の新聞の魅力を若者に伝えたい

この「紙の新聞」の魅力を若い世代に伝えたい。そう考えてみて、ふと疑問が浮かびました。

多くの若者は「紙の新聞」の読み方を知らないのではないか。私たちの世代にとって当たり前の「新聞を読む」という行為が、その意味も方法も、まるで理解されていないのではないか、と。

そこで私は、「30日間、新聞を読んでみよう」プロジェクトを始めることにしました。これは、とある20代の若者ふたりに対して、私が1カ月間かけて新聞の読み方を伝授するという企画です。

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