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食べログ「都内で9位」ラーメン店主の驚きの過去 秋葉原の超人気店「ほたて日和」はこうして生まれた

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時30分

そのラーメン店で寸胴にパンパンに入っている材料を見て、友人は「ダシの取り方をしっかりすれば、あんなに材料を入れなくても美味しいラーメンは作れるんだよ」と及川さんに言った。

この一言がきっかけで、2人はラーメン店をやってみようかと話し合う。この頃、脱サラをしてラーメン屋を始める人が多かったこともあって、2人は一気にその気になった。

友人がラーメンを作り、及川さんはホールと経理を担当するという役割分担で東京・神保町にお店をオープンすることにした。こうして2009年、「麺屋33」がオープンした。

「ラーメン屋といえばねじり鉢巻きをして腕組みをした怖いイメージが多かったですが、それとはまったく違った異質な接客をやろうと、バー時代に培った丁寧な接客を徹底しました。この頃は調理には一切タッチせず、ゆで卵やジャガイモの皮をむくぐらいでした」(及川店主)

濃厚な豚骨魚介のラーメンつけ麺を提供し、お客さんもしっかり入っていて何の不満もなく月日が流れていった。

ある日、町田にあった「ラァメン家 69'N'ROLL ONE」(現在は兵庫県尼崎市で「ロックンビリーS1」を営業)で初めて「昆布水つけ麺」を食べ、その味に影響されてすぐに自分の店でも出してみようと1週間もしないうちに限定メニューとして提供したことがあった。まだトレンドになる前で早すぎてまったく売れなかったが、味はとても美味しく、及川さんの記憶にだけ残っていた。

しかし、友人が中国へ…

2018年、友人が中国でもラーメン店を開きたいと日本を離れることになる。

1人ではお店が続けられないと思った及川さんは店を畳むことを考えたが、もうすぐ10周年になるし続けてくれないかと相談され、お店を続けていくことにする。レシピなどわからないことがあれば中国に電話で相談し、なんとかラーメンのクオリティを保ち続けた。

完全に手探りでやっていたが、四苦八苦しているうちにだんだんラーメン作りが面白くなってきて、3年経った頃にはオリジナルで限定ラーメンを作るようになった。その後、メニューをリニューアルし、「ほたての塩そば」をラインナップした。

「当時ほたてを使ったラーメンはあまり見たことがなく、スキマ産業的に始めてみました。当然、今のようなクオリティではありませんでしたが、神保町にはきれいな見た目のラーメンが少なく、注目されました」(及川店主)

さらに、毎月限定ラーメンを作っていく中で、かつては売れなかった「昆布水つけ麺」をもう一度復活させた。煮干しと昆布の合わせだしで作った昆布水を麺の下に敷き、見た目にもきれいなつけ麺を完成させた。

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