「元バーテン」異色店主のラーメン店が繁盛の必然 培われた細やかなサービス精神が大繁盛店を生んだ
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時35分
及川さんはお歳暮やお中元で届く高級な昆布で試し、今の昆布水を作り上げた。むやみに大量に使えばいいというわけではないのである。夏と冬で昆布を使い分け、その時々でのベストを模索している。
昆布水を使うとつけダレがぬるくなるというデメリットも、ほたての貝ダシを合わせることでメリットに変えている。貝ダシは少し温度が下がることでよりうま味が出やすくなるのだ。
「ラーメンも“知識”で美味しくできます。食材やうま味について知り尽くすことで美味しさを作れるんです。
食べ方のギミックも昆布に合わせて構成しています。すべて素材の相性を考えて作り上げています。
いっぱい材料を突っ込めばいいというものではなく、適正温度と出し方を知ることで美味しくできるんですよね」(及川店主)
超人気店なのに、SNSでの発信を積極的にしない理由
締めのスープ割りは月替わりでスープを変えている。これもつけダレ、昆布水と合わせて複合的なうま味が出せるように塩味を調整しながら作り上げている。毎月スープが変わるのでリピーターにもつながりやすい。
これだけ考えられて作られた一杯を提供しているのにもかかわらず、及川さんはそれを自分からはほとんど発信しない。それには理由がある。
「うちはあくまでエンタメ枠で軟派な店でよいと思っています。もちろんこだわりはたくさんありますが、それは謎のままでいいかなと。聞かれれば答えますが、うちはそれよりも楽しく食べていただくことを重視していますので。
オープン時のコンセプト通りにいっている飲食店というのはまず潰れません。私もそういう思いでこのお店を続けています」(及川店主)
及川さんはしっかりとした知識と技術でラーメンを作りながらも、「ラーメン屋っぽくないお店」を目指しているのだ。「美味しくて楽しい」をコンセプトにお店を作ったので、初志貫徹で今もその立ち位置を貫いているのである。
前回の記事はこちら:食べログ「都内で9位」ラーメン店主の驚きの過去 秋葉原の超人気店「ほたて日和」はこうして生まれた
井手隊長:ラーメンライター/ミュージシャン
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