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健康保険が使える「禁煙外来」約50%が休止のワケ 禁煙を諦めたくない人が今すぐできる方法は?

東洋経済オンライン / 2024年11月28日 10時0分

自治体や企業のなかには、禁煙したい人に対する助成金の支給というサポートを行っているところもあります。

例えば、東京都中央区では、健康保険が適用される禁煙外来での治療に要した医療費に対して、自己負担額が1万円以上の人では上限1万円、自己負担額が1万円未満の人の場合は全額の支給を受けることができます。

助成金の支給を受ける場合は、定員や条件が設けられていることがありますが、禁煙治療が完了した際にはぜひ活用したい仕組みです。気になる方は、各自治体のホームページなどで確認してみましょう。

禁煙を決意したときに心配になるのが、ニコチンが体内から抜けていくときに表れる「イライラ」「集中できない」などのつらくて不快な症状ではないでしょうか。

こうした症状は、禁煙を開始してから2~3日をピークに1週間ほど続きますが、あらかじめ吸いたくなる状況と対策を立てて準備し、禁煙補助薬の力を借りることで、症状を和らげながら禁煙することができます。

禁煙補助薬は全部で3種類

禁煙補助薬にはニコチンを含むニコチンガム(Haleonジャパン株式会社:商品名はニコチネルスペアミントなど、JNTLコンシューマーヘルス株式会社:商品名はニコレットなど)やニコチンパッチ(Haleonジャパン株式会社:商品名はニコチネルパッチ)、ニコチンを含まない飲み薬のバレニクリン(チャンピックス)があります。

それぞれの特徴については、下の表をごらんください(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

チャンピックスの製造販売を行っているファイザーによると、2025年の上半期には出荷が再開される見込みです。それまで禁煙治療を待つというのも、もちろん選択肢の1つですが、いますぐ禁煙に取り組みたい人には2つのよい方法があります。

1つは、禁煙外来を受診してバレニクリンを使わずにできる禁煙治療を始めるという方法です。お住まいの近くの禁煙外来は日本禁煙学会のウェブサイトで調べることができます(禁煙治療に保険が使える医療機関)。

もう1つは市販薬を活用する方法です。市販薬にはニコチンガムとニコチンパッチがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

ニコチンガムとニコチンパッチ

ニコチンガムは、急な「たばこが吸いたい」という欲求に対応できますが、かみ方にコツがいり、誤ったかみ方をすると効果が得づらいことがあります。また、仕事などの関係で人前でガムをかむのが難しい場合は使用するのが難しいこともあるでしょう。

ニコチンパッチは、衣類などで隠れるところに貼れば使用していることが他の人からはわかりません。使用方法も簡単です。一方で、汗ばむ季節や汗をたくさんかく人でははがれやすいという問題があります。

一般社団法人日本循環器学会などの関連4学会が作成した「禁煙治療のための標準手順書(第8.1版)」によると、これらの禁煙補助薬を利用した場合は、自力で禁煙した場合に比べ、禁煙成功率がニコチンガムで1.5倍、ニコチンパッチで1.6倍、バレニクリンで2.2倍高まると報告されています。

現在、禁煙治療の選択肢が少なくなっているのは確かですが、ほかにも選択肢はありますから、治療をためらっている人は「禁煙したい」という気持ちを諦めずに、ぜひ禁煙外来や薬局に相談してみてください。

高垣 育:薬剤師ライター、国際中医専門員

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