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インバウンド客に無理な「英語対応」はいらない 一言目は「やさしい日本語」で話しかける重要性

東洋経済オンライン / 2024年11月28日 16時0分

インバウンド全国推進協議会では、外国人対応における「言葉の問題」には、言語能力の不足による不具合は当然のこととして、それ以前の、「外国人に対する苦手意識」を原因とするコミュニケーション能力不足を問題視する声が多くありました。

なかには、外国人と見ると、お店のスタッフが隠れてしまったり。そのような苦手意識を克服するのが「日本語対応」ではないかという提案なのです。

すべてを日本語で押し通そうということではありません。

あくまでも「最初のひと言を日本語で話しかけましょう」ということです。

日本を訪れる外国人は日本が好きで来ています。そのため、あらかじめ簡単なあいさつ程度の日本語は自分で勉強して知っています。できるだけ日本人と日本語で話したがっています。

しかしながら、日本人は外国人と見ると、いきなり無理をして英語で話しかけるため、せっかくの日本語を話す機会を失ってしまいます。

考えてみれば、このことは、私たちが外国旅行をする際も同じだと思うのです。

韓国へ行けば、覚えたての韓国語を話して会話したいという気持ちと一緒です。「アンニョンハセヨ」と話しかけて、相手が「アンニョンハセヨ」と返してくれたら本当にうれしいものです。

まずは日本語で話してみる。そこで相手がちょっと首を傾げたら英語に切り替える。

そうすることによって、外国人だからといって逃げずに、最初の一歩をスムーズに踏み出すことができるのです。

さらに、相手の方が日本語を話せたらお互いハッピーです。

課題のなかの「入店のお客様がどこの国の方かわからず声かけが難しい」といった問題もこれで解決します。

「最初のひと言を日本語で話しかける」ことで、コミュニケーションの最初の一歩を踏み出すことに成功するのです。

「やさしい日本語」と「笑顔」

山城屋のお客様は約9割が外国人です。

そのうち、約5割が韓国人、次いで香港、中国本土、台湾、タイ、シンガポール、欧米系となっています。そのため、日常的に韓国語と英語を多く耳にしますし、以前は私たちも英語で話しかけていました。

そこを切り替えて、まずは「やさしい日本語」で話しかけてみることにしました。

「やさしい日本語」とは、日本人同士の会話でよくありがちな「話を最後まで言わない(推測させる)」「熟語を使う」「外来語(和製英語)を使う」「オノマトペ(擬態語・擬音語)を使う」などを極力避けることです。

「は・さ・み」(はっきり、最後まで、短く)というセオリーも重要です。

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