全業界「とんでもない人脈」作ったシンプルな方法 「口下手の内向的人間」こそ「食の力」を借りよう
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時30分
2万人以上と食事し、人と人を「食事」でつなげるスーパーコネクター・古河久人氏は超大物政治家、主演俳優、国民的漫画家、歌舞伎役者、世界的建築家と、業界で「右に出る人がいない」といわれるほどの人脈を誇る。
「口下手で典型的な内向的人間」を自認する古河氏だが、「内向的人間でも『食』を介することで誰とでも気軽につながることができる」という。
そんな古河氏が、このたび人間関係を「広げる」「深める」全テクニックを公開した初の書籍『「最高のビジネス人脈」が作れる食事の戦略』を上梓した。発売前増刷が決まるなど大反響を呼んでいる。
この連載では「食を介することでどうやって人脈を作るか=食事の戦略」について書き下ろす。
リタイアしてからのほうが忙しい理由
はじめまして、「KIZUNA PRODUCER」の古河久人と申します。
【ひと目でわかる】「食事の戦略」を提唱する「スーパーコネクター」古河久人氏の"実績"と、「人脈」で人生が変わる「重大ポイント」
2021年に生命保険会社を定年退職し、現在は人と人をつないでビジネスの橋渡しをしたり、新しいビジネスを立ち上げたり、場合によっては自分も実際にそのビジネスに関わったりといった活動をしています。
また「人脈活動」でつながった人からのオファーで、累計で50以上の団体・企業のアドバイザー、顧問、社外取締役、理事などを務めていて、非常に忙しくしています。
会社員時代より多忙を極める毎日ですが、会社員時代と違って自分の好きなことをやれていること、また会社員(保険会社)では経験できなかったこと、思いもよらなかった世界を知ることができることなど、今まさに人生を謳歌できています。
なぜ私がリタイア後に充実したセカンドライフを送れているかというと、それはもうひとえに今まで培った「人脈の賜物」だと思っています。
私の人脈についての状況は以下の通りです。
● 年間800人近い人に会う
● 一緒に食事をした人の数=25年間で累計2万人
● この半年間ではじめて食事をした人の数=150人
● エグゼクティブ・スピーチコーチの岡本純子さんのベストセラー『世界最高の雑談力』の中で、「スーパーコネクター」として紹介される
● 月平均5~10回の食事会を開催しているが、いつも数日で満席になる
実は今回の初著書の出版も、この人脈活動のおかげでかなえることができました。
また、憧れの建築家や政治家、芸能人、学界・スポーツ界・政財界のトップの方々ともつながることができ、みなさんと楽しく交友しています。
人脈を持つ「最大のメリット」は?
とはいえ、私には何か下心があってこうした活動を行ってきたわけでも何でもありません。単純に人とつながることが楽しくて、一期一会を大切にしてきた結果、今の人脈を築くことができただけです。
他に適切な言葉がないので「人脈」と言っていますが、人脈という言葉も自分では使ったことはほとんどありません。
私にとっては人とのつながりはあくまでも「1対1」の関係です。長い時間をかけて、1人ひとりとの関係を深めていった結果、多くの人とつながることができたと思っています。
その意味では、私にとって人脈とは「自分とつながっている人の集団」であって、決して利害関係を軸としたものではありません。
「この人とつながっておけば仕事上で有利だろう」というような利害関係を主軸にしたつながりは、結局のところ長続きしません。
そしてそのような打算的な付き合い、一時的な付き合いは私の考える人脈ではありません。
では、私にとって人間関係、人脈とは何かというと、大げさかもしれませんが、「人生を救ってくれるもの」「人生を豊かにしてくれるもの」まさにそういう存在です。
自分のこれまでの人生を振り返ってみると、
・人生を揺るがすような大きなピンチに見舞われて、どうすればいいか思案したとき
・新しい仕事にチャレンジしようとして、どう手をつけていいか途方にくれたとき
・仕事で行き詰まったとき
・健康に不安を感じたとき
そんなときに励ましてくれたり、手を差し伸べてくれたり、助言してくれたりして、課題解決に導いてくれたのは、すべて自分とつながっている「人間関係」「人脈」の人たちでした。
人間はひとりで考えたり、学んだりすることには限界があるものです。
でも、3人の力を借りれば、4倍の知識、4倍の人生経験を活用できます。人脈の力は計り知れないものがあります。
何よりも、「食べること」が好きな私にとって、その楽しみを分かち合い、楽しい時間を共有してくれる人がいることで、幸福感は倍増します。
人と出会った際に自然に話が盛り上がる人がいます。お互いが共感することによって、強い結びつきができるのです。
これがケミストリー(肌が合う、フィーリングが合う)ということだと思います。そんなケミストリーの合う人と巡り合うことができるのも、大いなる幸せです。
さらには、人との交流から新しい発想が生まれたり、新しいビジネスも生まれたりすることもあります。なかでも、自分が引き合わせた人同士が意気投合し、新たな活動やプロジェクトが始まるのは無上の喜びです。
人脈を得たことで、人生における喜びは間違いなく何十倍、何百倍にもなっていると思います。
ただ、こうして今リタイア後の人生が楽しく充実しているのは、今までの人脈活動のおかげであることはまちがいありません。
口下手の人見知り、40歳までは人脈ゼロ
各所からひっきりなしに人の紹介を頼まれ、「人脈の達人」「スーパーコネクター」と呼ばれることもある私ですが、それらの言葉から世間がイメージするような「機を見るに敏」なタイプではありません。
むしろまったくの真逆で、人見知りの「内向型」、おまけに「口下手」です。
たとえば異業種交流会で知らない人に臆せず話しかけていかにも親しそうに話し込む……なんてことはまったく苦手です。
意を決してそういう会に参加したこともありますが、数人と名刺交換をして、一言二言会話を交わしただけで終了。しかも、その頼みの数人ともその場限りで終わってしまいました。
そもそも40歳になるまでは典型的な仕事人間で、交友関係は仕事関係者だけでした。
当時、生命保険会社の破綻が続いたこともあり、保険会社の経営体質を強化し、健全性を確保するための制度づくりを業界の中心になって奔走した時期で、プライベートで会食するゆとりがなかったことも理由です。
40代も半ばに差し掛かろうというころになって仕事も落ち着き、ようやく時間的に多少の余裕ができたとき、「仕事ばかりで、自分の人生はこれでいいのかな」という漠然とした不安に襲われ、はじめて仕事以外の分野の人との人脈づくりを意識するようになりました。
だから、私の人脈は40代半ばから築いたものです。その意味では何歳からでも「遅すぎる」などということはまったくありません。
私は内向的人間ではありますが、親しい人、気の置けない仲間との交流を心から楽しく思っています。おそらくこれは私だけではなく、多くの内向型人間の共通点ではないでしょうか。
よく誤解されているのですが、内向型だからといって、決して「人嫌い」というわけではないのです。
メンタリストDaiGoさんの鋭い分析
では、40代半ばからのスタート、しかも口下手の内向的人間だった私が、どうやって人に「うらやましい」と言ってもらえるような人脈を築いたのか。
それこそが「食の力」を借りることでした。
「人脈を広げる」というと、ハードルが高いように感じるかもしれないけれど、「食事を介在させる」ことで、誰もが笑顔になり、楽しく関係を深めることができるのです。
私の提案は「親しい人を数人集めて食事をする」ことから始めてみるというものです。これは友人のメンタリストDaiGoさんに言われて気づいたことです。
私の人脈づくりの話をしていたとき、DaiGoさんは、こう分析してくれたのです。
「古河さんは自分の知り合い中心に集めているでしょう。誰でもいいから誘っているわけではないですよね。自分の知っている人が参加しているので心理的安定性を確保しているから、たとえ参加者が100名になっても開催できているんですよ」
まずは親しい人を誘って数人から
たしかに私は初対面の人を誘うことはあまりなくて、知っている人に声をかけて、本人とその知り合いに参加してもらうことがほとんどです。
社交上手の「外向型人間」は、どんどん新しい人を開拓して、ワイワイと楽しく人の輪を広げていくことができるのでしょうが、私のような「内向型人間」はそういうことが苦手です。
でも、「内向型人間」には、内向型ならではの人脈の広げ方があります。
私の場合は、「親しい人から知り合いを紹介してもらい、『食事』を通して人脈を徐々に広げていく」ことだったのです。
人を集めるには「自分の好きなこと・得意なこと」をフックにするのが一番です。たとえば「ワイン好きの人でワインを飲む会をやろう」「クラシック音楽について語ろう」「広島出身者で集まろう」など。
こういうものは、たとえば「貸し会議室で集まろう」
食の力は絶大です。
店選びもコツがありますが、
その際、「行きつけの店」
最初は知り合いに声をかけて集まるだけでいいのですが、
こういった店選び、人の集め方のコツが、私の言う「食事の戦略」
まずは親しい人を誘って数人から。
古河 久人:2万人以上と食事し「食事の力」で人をつなげる「スーパーコネクター」
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