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日本は共同親権の「負の歴史」に学んでいるのか 「欧米はどこも共同親権で成功」の勘違い

東洋経済オンライン / 2024年12月1日 11時0分

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家事や育児、介護などの分担をめぐって、家族間で言い争いが増えて、一緒にいて心地よい存在だったはずの家族が、いつのまにか「つかれる存在」になってしまった......そんな話を聞くことがよくあります。

どうして自分の不満が家族に伝わらないの?どうしたら「つかれない家族」になれるの?そんなふうに「つかれる家族」と「つかれない家族」を考察するこの連載。

数回に分けて、「つかれる家族」の行き着く形のひとつでもある「別居・離婚家庭」について描いています。

キーワードは、今年5月に国会で可決された「共同親権」。前回は「共同親権がモメるワケ」、今回は「親権の海外事情」についてです。今回も家族法学者の小川富之先生に伺いました。

争いが絶えない、離婚後の「子ども」問題

注目すべきは、オーストラリアの事例

フレンドリーペアレント??

オーストラリアで起きた”悲劇”

そして、方針変更へ

イギリスは?アメリカは?カナダは?

ある重要な「研究結果」

本当に大事なことは…

過去の失敗の歴史に学んでいない?

マンガで描いた以外にも、「養育費」も日本と海外では大きな違いがあります。

まず日本は、協議離婚がほとんどで、養育費の取り決めをしないままに離婚する人も多く、養育費の不払いが多いことも問題になっています。罰則がないため、公正証書を交わしても支払われないこともあるという当事者の声も聞きました。

ただ、共同親権の施行と同時に、養育費制度も見直しが予定されています。支払いが滞った場合には、ほかの債権よりも優先的に財産の差し押さえができるようになる「先取特権」がつけられたり、父母の協議などによる取り決めがない場合にも、養育費請求が可能になります。

さらに、調停で養育費などを決める段階でも、裁判所は当事者の収入や資産の情報開示命令を出すことができるようになります。

しかし、海外ではもっと厳しい徴収を行なっている国もあります。たとえば、アメリカでは、養育費の給与天引き、税還付からの相殺が全ての州で行われています。また、不払いの場合には、収監されたり、運転免許の停止などを行う州もあります。

スウェーデンでは、養育費が支払われない場合は、社会保険事務所に申請すれば立て替え払いとして手当が支給される制度があります。

こういった国のことを考えると、日本は法改正をされても、まだまだ養育費不払い問題は解決されないと想像できます。

ただ、日本では明石市や大阪市など、独自のやりかたで養育費を確保する自治体もあります。国が自治体まかせにしていていいのだろうか?と個人的には疑問に思いますが、とにかく大事なのは、子どもの監護(世話)をしている家庭が貧困に陥らないことです。

次回は、別居・離婚に至る大きな原因のひとつ、DVやモラハラなどの加害について分析します。

ハラユキ:イラストレーター、コミックエッセイスト

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