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マンネリを打破「秋冬スーツ」を洗練させるには メンズに伝えたい「定番色にシャツ」以外の選択

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 8時0分

「ブラウンスーツ」「カーディガン」「タートルネックセーター」それぞれを使った、一味違う冬のスーツの着こなしを紹介する。スタイリスト、モデルともに栃木雅広さん(撮影:今井康一)

マンネリしがちな秋冬のスーツのコーディネート。定番のネイビーやグレーのスーツは飽きてしまった。いつもと違う着こなしに挑戦してみたい。でも何をどう変えればいいかわからない……。

そんな悩みに応えるべく、色やアイテムでアレンジを加えたスーツの着こなしを紹介しよう。洗練して見えるコーディネートのポイントもお伝えする。また、それぞれのスタイリングに「きっちり度」の指標を入れているので、会社のルールや職種に合わせて、マンネリ打破の一手として取り入れてみてほしい。

トレンドのブラウンスーツはタイドアップで攻略

(きっちり度:90%)

【写真を見る】イタリアで定番「ブラウン×ブルー」の色合わせでスーツの着こなしを楽しむ

ネイビーやグレー、ブラックといったスーツに物足りなさを感じているなら、今シーズンのトレンドになっているブラウンスーツに挑戦してみてはいかがだろうか。いつもとは違う色味は新鮮な印象を与えてくれるはずだ。

定番カラーのスーツに比べて若干カジュアルなイメージがあるブラウンスーツは、シャツとネクタイを合わせたきっちりしたVゾーン(ジャケットとシャツ、ネクタイからできる上半身のV字のゾーンのこと)にすると、ビジネス感がキープされ使いやすくなるだろう。

また一概にブラウンといっても、黄味が強いものと赤味が強いものがあるが、ほかのアイテムが合わせやすいのは圧倒的に赤味が強いブラウンだ。

熟した栗を想像してもらうと、わかりやすいかもしれない。

【写真】一味違うビジネスシーンでの着こなし「ブラウンスーツ」「カーディガン」「タートルネックセーター」のスタイリング例を見る

この赤味が強いブラウンと相性がいいのが、ブルー系のアイテム。参考にしたいのが、イタリアでの定番色合わせの「アズーロ エ マローネ」。ブラウンが持つこっくりとした色味にブルーの爽やかさをプラスする色合わせだ。

スタイリング例でも実践している通り、ダークブラウンのスーツにサックスブルーのシャツ、ブラウン系とブルーを組み合わせたストライプタイを合わせるといった具合だ。

色数を2色に絞ることにより、全体のまとまりが生まれるとともに、洗練された印象を与えられる。また、ベルトやシューズといった小物の素材感も重要で、カジュアルさのあるスエードを合わせることがポイント。

起毛感があるスエード素材とブラウンカラーのやわらかな印象は好相性で、コーディネートの完成度を高めてくれる。

今まで使うことのなかったブラウンスーツに難しさを感じるかもしれないが、手持ちのブルー系アイテムを合わせると驚くほど簡単に着こなせるはず。いつものスーツに飽きたら、ブラウンスーツに袖を通してもらいたい。

脱いでもビジネス感が保たれるカーディガン

(きっちり度:80%)

簡単に脱ぎ着でき、温度調整も容易なカーディガンは秋冬のノータイスタイルにぴったり。ネクタイを外すことによって、少し間の抜けたVゾーンを引き締めてくれるからだ。

社内など空調が効いた場所でジャケットを脱いだときに、ビジネスの場らしいきちんと感をキープしてくれる効果もある。

スーツと同色を合わせるのが最もベーシックだが、コントラストをつけた色合わせもVゾーンが強調されておすすめだ。ただ、ビジネスシーンで使うことを考え、ネイビーやグレー、ブラックといった基本色を合わせるのが望ましい。

ゲージと呼ばれる糸の太さでカジュアル度が変わるため、細い糸で編まれたハイゲージのカーディガンを選ぶようにしてほしい。

これはビジネスらしい品をキープするだけでなく、ジャケットの中に着るときは薄手のカーディガンのほうが動きやすく快適に過ごせるからだ。

柄や編み方に関しては、単色で凹凸のないプレーンな編み地のタイプが汎用性も高く重宝するだろう。

コーディネート例では、ネイビーのストライプスーツに同色のカーディガンとホワイトシャツを合わせた、ベーシックで真似しやすいスタイルに仕上げた。

シューズはきっちりとしたレースアップタイプを合わせ、普段のスーツスタイルから20%ほどカジュアルに見えるようにした。

このスタイルにネクタイを合わせても違和感なく見えるくらいビジネス感が保たれているため、初心者でも取り入れやすい。

Tシャツやカジュアルシャツの上に羽織ることが多いカーディガンも、色やデザイン、生地感を変えることでビジネスシーンの強い味方になってくれるはずだ。

ビジネスの場を和ませるタートルネックセーター

(きっちり度:60%)

コートはもちろん、ベストなどさまざまなアウターを合わせられる秋冬の定番インナーであるタートルネックセーター。カジュアルな印象があるが、実はビジネスシーンでも活躍してくれる万能インナーだ。

ニットウェア特有のやわらかな印象がプラスされることで、ビジネスの場を和ませる効果も期待できる。

細い糸を使った薄手のハイゲージを合わせてもいいが、よりあたたかみを出せる少し肉厚のミドルゲージをおすすめしたい。カジュアル感を出せるうえ、寒い季節でも快適に過ごせる保温性能が高くなるためだ。

冷えを感じる首元をすっぽりと被うタートルネックは、マフラーやネックウォーマーといった小物を使う必要がなく、荷物をコンパクトにできる利点もある。コーディネートに取り入れるときのポイントは、スーツとのコントラストをつけること。

そうすることで、Vゾーンが際立ちメリハリの利いたスタイリングが完成する。実際のコーディネート例では、ミディアムグレーのスーツにダークブラウンのタートルネックセーターを合わせた。

知的かつシャープに見えるグレーに、あたたかみを感じさせるブラウンの色合わせは、お互いを補完してくれる。そしてシューズとバッグはブラックを合わせることで、全体が引き締まった印象に。

シューズのデザインはレースアップではなくローファーにすることで、タートルネックセーターとのカジュアル感とマッチする。

スーツとタートルネックセーターの組み合わせはカジュアル度がやや高く、時と場所を多少選ぶが、スーツスタイルがぐっとこなれた印象になるので、試してみてはいかがだろうか。

栃木 雅広:スタイリスト・エディター

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