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「空気が読めない」部下にモヤっとしたらすべき事 発達障害グレーゾーンの人へ適切な対処法とは

東洋経済オンライン / 2024年12月3日 14時0分

ASDやADHDのグレーゾーンといわれる人たちは、職場のどのような場面でつまずきやすいのでしょうか(写真:mits/PIXTA)

成績は優秀なのに、仕事になるとなぜか失敗が多い、遅刻癖がある、依頼した仕事より、自分の興味関心のある仕事を優先する―――。職場にこういう方はいないでしょうか。コミュニケーションがうまくとれない、モヤモヤする人は、もしかすると「発達障害グレーゾーン」の人かもしれません。

公認心理師として企業や団体でカウンセリングをする舟木彩乃さんは、相談ごとの中に、発達障害グレーゾーンの特性から来る問題がひそんでいることが多いと指摘します。著書『発達障害グレーゾーンの部下たち』より、一部抜粋・編集してご紹介します。

職場で起こりうること

本稿では、ASDやADHDのグレーゾーンといわれる人たちが、その特性ゆえに職場のどのような場面でつまずきやすいのか、事例を加えながらお伝えします。ただし、読み進めていくにあたっては、次のことに留意してください。

・ASDやADHDと分類されてはいるものの、発達に偏りがある人(グレーゾーンの人を含む)には共通の特性があります。そのため、ASDの事例でありながらADHDにも当てはまる場合があり、その逆の場合もあります。
・両方とも、(発達障害ほどではありませんが)能力のバランスが悪く発達に凹凸があり、できることとできないことの差が大きいといわれています。
・人間関係の問題を抱えやすく、生きづらさを抱えているという点は、両方に共通する特性だといえます。

ASDの傾向があるJさんの場合

統計処理など数字を扱うことが得意なJさん(男性20代)は、マーケティング戦略室に所属しています。その部署はプロジェクトごとにチームが組まれており、Jさんが属するチームは現在繁忙期の真っ只中にあります。

Jさんは、指示された仕事はいつもきっちり処理しており、ミスをしたこともほとんどありません。

しかし、自分がやるべき仕事が終わるとボーッとしていたり、他のメンバーがどんなに忙しそうにしていても、定時になれば当然のように帰宅したりします。

チームの他のメンバーは、そんなJさんにイラッとすることもあるようです。定時に帰ろうとする彼に対して、「なにか急いで帰らないといけない理由でもあるの?」とか、「これはチーム全員の仕事でもあるんだけど……」などという言葉を投げかけることもあるということです。

しかし、Jさんには言葉の背後にある真意は伝わっていないようで、「定時になったので帰るだけです」と言って、悪びれもせず帰ってしまいます。

言葉の裏を読むことが苦手

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