国産PCソフトがAIで復権、「買い切り型」で市場開拓 オフライン翻訳とAI文字起こし、月額課金からの転換図る
東洋経済オンライン / 2024年12月3日 13時0分
パッケージソフトメーカー各社が、AI技術を活用した新機能の提供を本格化させている。オフライン環境での高精度翻訳から、クラウドAIを活用した文字起こしまで、従来はサブスクリプション型が主流だったAI機能を、買い切り型で提供する動きが広がっている。
【写真で見る】40周年を迎える「一太郎」は、クラウドAIを活用した文字起こし機能を標準搭載。買い切りながら、音声ファイルや動画の音声をリアルタイムで文書に変換できる
オフラインでGoogle翻訳級の精度実現
ソースネクストは11月21日、オフライン環境で使用できるAI翻訳ソフト「AI本格翻訳」を発売した。月額課金なしの1万9800円で、これまでクラウド上でしか実現できなかった高精度翻訳をパソコン単体で可能にした。音声文字起こしAI「オートメモ」やゴルフ用AI「バーディ・トーク」に続く、同社のAI製品展開の新たな一手となる。
同社は業務での翻訳ツールの利用について、1000人にアンケート調査を実施した。その結果、75%以上が無料のオンライン翻訳を利用していると答えた。
一方で大企業従業員の51.3%がセキュリティ面に不安を感じるとも回答している。また55.1%の企業が無料翻訳サービスの利用を制限または禁止している実態が浮かび上がった。
従来のオフライン翻訳ソフトは、機械翻訳の評価指標「BLEU(ブリュー)スコア」で10点程度の精度だった。同社は新製品で26.9点を記録し、330万文字超、5万文の日英対訳データによる検証でGoogle翻訳レベルの精度を実現。社内の研究開発部門「ソースネクストAIラボ」が開発したニューラル機械翻訳(NMT)の軽量化技術が、この性能を支える。
翻訳機能は3種類用意した。Google翻訳のように文字を入力して翻訳する基本的な「テキスト翻訳」、WordやPDFをレイアウトを保ったまま翻訳できる「ファイル翻訳」、画像から選択した部分をOCRで文字化して翻訳する「画像翻訳」だ。ファイル翻訳は特定のフォルダを監視し、新規ファイルを自動で翻訳する常駐機能も備える。PCの操作に不慣れな人でも使えるよう、いずれもシンプルなインターフェイスを採用した。
オフライン処理のため、Google翻訳のような瞬時の処理とは異なり、1000文字程度の文章で10秒程度の処理時間を要する。一方で「テキスト処理なので通常のCPUでも十分なパフォーマンスが出せる」(製品企画担当の松井久典氏)という。将来的にはAIパソコンの専用チップ(NPU)による高速化も視野に入れるが、現時点では一般のPCでの利用を優先した。
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