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足立と葛飾の複雑な「区境」で味わう静かな"興奮" 「境界協会」主宰・小林さんの"推し境界"を巡る

東洋経済オンライン / 2024年12月5日 7時50分

「境界協会」を主宰する小林政能さん。葛飾区と足立区の「区境」の面白さを解説してもらった(撮影:今井康一)

目には見えないものの、地図上では区と区など自治体の間に明確な「境界線」が引かれている。

【写真22枚】足立区と葛飾区の区境は「へぇ~」な面白さにあふれていた。目には見えない「境界線」の存在を示すスポットを辿ってプチ興奮

そんなある意味バーチャルな存在である境界線の由来や歴史を徹底的に調べ尽くし、「ブラタモリ」「タモリ倶楽部」などのテレビ番組で脚光を浴びるようになったのが境界協会を主宰する小林政能さん(57)だ。

境界の魅力を知るため、小林さんにおすすめの「境界の現場」を案内してもらった。

東京都「足立区」の小菅駅からスタート

11月中旬のある晴れた昼下がり。今や「東武スカイツリーライン」という何やらしゃれた愛称がある東武伊勢崎線の小菅駅で小林さんと待ち合わせた。

小林さんはちょうど10年前の2014年に境界協会をつくり、東京都内を中心に面白い「境界」を案内するツアーを多数開催している。地形・地図マニアの中では神様のような存在といっていい。

その小林さんが選んだのがこの小菅駅周辺、つまり東京都葛飾区と足立区の境界線付近である。小菅と聞いて思い浮かべるのは、なんといっても東京拘置所。首都高を走行中に上から見ると「X」型の威容を誇る、あの巨大な建築物だ。

そんなどこか身構えてしまうような土地に、面白い境界があるのだろうか。わくわくしながら集合場所に向かった。

写真22枚:小菅駅から亀有駅まで、足立区と葛飾区の複雑な区境を巡る。目には見えない「境界線」の存在を示すスポットをみつけては興奮

小菅駅に現れた小林さんはまず「境界協会」と書かれた派手な黄色のビブスを身につけた。ツアーへの期待感が一気に高まった瞬間だ。

小林さんは手始めに「この小菅駅からして面白いんです」と言った。「小菅」という地名は葛飾区にあるが、小菅駅自体は足立区にある。同駅の前の道がまさに足立区と葛飾区の境界線にあたる。

駅名にある地名と所在自治体が異なるのは品川駅(所在地は東京都港区)など僕でもいくつか知ってはいたものの、いきなりの「境界」の洗礼に興奮を覚えた。

足立⇔葛飾の区境が複雑な理由

まず案内してもらったのが、小菅駅から数分歩いたところにある荒川の河川敷だった。

聞くと、河川敷には先ほどの小菅駅前からつながる、足立区と葛飾区の境界線があるという。すると、早速河川敷で「葛飾区占用境界線」「足立占用地境界線」という表示が目に入った。2つの表示は河川敷を縦断する道を挟んで両端にあり、河川敷を斜めに横切って荒川の「中」にまで境界線が及んでいる。

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