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中国EV「小鵬汽車」、逆風生き抜き成長軌道に復帰 7~9月期の販売台数16%増、赤字は半分以下に

東洋経済オンライン / 2024年12月9日 18時0分

小鵬汽車の月間販売台数は一時的に1万台以下に落ち込んだが、2024年10月には過去最高の約2万3900台に回復した。写真は11月に発売した新型車「P7+」(同社ウェブサイトより)

中国自動車市場で新興EV(電気自動車)メーカーの優勝劣敗が分かれる中、小鵬汽車(シャオペン)の販売が回復軌道に乗りつつある。

【写真】小鵬汽車の7~9月期の販売増加を牽引した新型車「MONA M03」

同社が11月19日に発表した2024年7〜9月期の決算報告書によれば、同四半期の販売台数(メーカー出荷ベース)は約4万6500台と前年同期比16.3%増加し、目標の4万1000~4万5000台を上回った。

販売好調を受けて業績も改善している。7〜9月期の売上高は101億元(約2166億円)と前年同期比18.4%増加。純損益は18億1000万元(約388億円)の赤字だったが、損失額は前年同期の半分以下に縮小した。

10~12月期も好調見込む

小鵬汽車は10~12月期も販売拡大が続くと予想している。10月には単月で約2万3900台を出荷し、同社の月間販売記録を更新した。

「11月は(単月で)3万台を販売したい。10~12月期の(3カ月間の)販売台数は8万7000~9万1000台を見込んでいる」。小鵬汽車の創業者で董事長(会長に相当)を務める何小鵬氏は、決算説明会でそう述べた。

同社の販売は2022年の後半から伸び悩み、一時は月間販売台数が1万台を割り込んでいた。現在の販売回復について何氏は、「わが社は2年間の“逆風期”を生き抜き、新たな成長サイクルに入ったと確信している」と、先行きへの自信を示した。

7~9月期の販売増加を牽引したのは、小鵬汽車が8月下旬に発売した新型セダン「MONA M03」だ。さらに、11月上旬には新型主力セダン「P7+(プラス)」を発売。何氏によれば、P7+の受注台数は発売当日に3万台を超え、その後も増え続けているという。

小鵬汽車はこれまで、クルマの駆動力に電池だけを使うバッテリーEV(BEV)に特化した製品戦略をとってきた。しかし2年ほど前から、中国市場では発電用と駆動用を兼ねるエンジンを搭載したプラグインハイブリッド車(PHV)や、発電専用エンジンを搭載したレンジエクステンダー型EVの販売が急拡大を続けている。

業界団体のデータによれば、中国市場で2024年1月から9月までに販売されたPHVとレンジエクステンダー型EVの合計台数は前年同期比78.5%増加。それに対し、同じ期間のBEVの増加率は17.6%にとどまった。

2025年の損益均衡目指す

そんな中、小鵬汽車は(市場の趨勢に合わせて)初のレンジエクステンダー型EVの開発に着手し、2025年の発売を計画している。

「レンジエクステンダー型EVは次世代のBEVとともに、わが社の将来の成長を支える両輪になるだろう」。何氏はそう意気込む。

足元の販売回復を受けて、市場関係者の関心は小鵬汽車の損益がいつ黒字化するかに向き始めた。それに関して何氏は、「P7+以降の新型車にはシリーズ化された新たなプラットフォーム技術を採用し、スケールメリットによるコストダウンが期待できる」と決算説明会でコメントした。

また、小鵬汽車の共同総裁(社長に相当)を務める顧宏地氏は、「すでに赤字は縮小しつつあり、2025年中に損益均衡を実現するのがわが社の目標だ」と述べた。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は11月20日

財新 Biz&Tech

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