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ファーウェイ、旗艦スマホ「Mate 70」シリーズ発表 次世代OSとの組み合わせで総合性能を向上

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 18時0分

ファーウェイはアメリカ政府の制裁の影響で一時失ったスマホの市場シェアを急回復させつつある。写真はMate 70シリーズの上位機種「Mate 70 Pro+」(同社ウェブサイトより)

中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は11月26日、ハイエンドの新型スマートフォン2機種を発表した。一般的な形状の「Mate 70」シリーズと折り畳み式の「Mate X6」で、メーカー希望価格は前者が5499元(約11万6200円)から、後者が1万2999元(約27万4600円)からだ。

【写真】ファーウェイの次世代OS「ハーモニーOSネクスト」

「Mate 70は歴代のMateシリーズの中でも最強だ。(ファーウェイが独自開発した次世代OS[基本ソフト]の)『ハーモニーOSネクスト』と組み合わせることで、総合的な性能が前世代(のMate 60シリーズ)より40%向上した」。ファーウェイの消費者向け端末事業を率いる余承東氏は、広東省深圳市で開催した発表会でそう胸を張った。

なお、ファーウェイはMate 70シリーズとMate X6が搭載するプロセッサーについて、名称や型番などの情報を公表していない。

ソフトとハードの連携強化

新機種の売り物は、受信性能の改善や衛星通話機能の強化、AI(人工知能)機能の拡充などだ。余氏によれば、アンテナ性能の向上により「地下鉄や高速鉄道に乗車している時でもビデオ通話の品質が格段に良くなった」という。

ソフトウェアとハードウェアの連携もさらに強化した。例えばモバイル決済アプリの支付宝(アリペイ)は、ハーモニーOSネクストに最適化したネイティブアプリを利用することで、スマホの画面を点灯させた状態にするだけで店舗のタッチ決済端末での支払いが可能になる。

(訳注:アンドロイド版やiOS版のアリペイでは、スマホの画面を点灯させた後にロックを解除する操作も必要になる)

ファーウェイは先端半導体の入手を阻止しようとしたアメリカ政府の制裁を克服し、2023年8月に5G(第5世代移動通信)に対応した新型Mateシリーズを約2年ぶりに発売。2024年4月には同じくハイエンドの「Pura」シリーズ(旧Pシリーズ)も5Gに対応させ、「ダブルハイエンド」戦略を復活させた。

その後、ファーウェイは中国のハイエンドスマホ市場で(いったん失った)シェアを急速に取り戻しつつある。

市場調査会社IDCのデータによれば、メーカー希望価格が600ドル(約9万1900円)以上のセグメントにおいて、2023年1月から9月までの期間の市場シェアはアップルが61.8%、ファーウェイが21.4%だった。それが2024年の同じ期間では、アップルの市場シェアが52%、ファーウェイが30.7%となり、差が20ポイント近く縮まった。

ハイエンド市場でシェア拡大

別の市場調査会社カナリスのリポートによれば、同じく600ドル以上のセグメントにおいて、ファーウェイは2024年7~9月期に33%の市場シェアを獲得。その後もシェアを伸ばし続けているという。

「ハーモニーOSネクストと折り畳み式スマホの投入により、ファーウェイに対する消費者の注目度とブランドイメージが高まった」。カナリスは背景をそう分析した。

同じくカナリスによれば、中国市場で7~9月期に販売されたスマホに占めるハーモニーOS搭載機(旧バージョンを含む)の比率は17%に達し、前年同期より3.2ポイント上昇した。

ファーウェイ独自のOSとハードウェアの組み合わせ(による高い利便性)は、ユーザーが競合他社のスマホに乗り換えるのを防ぐ「エコシステムの垣根」の役割を果たしていると、カナリスでは見ている。

(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は11月26日

財新 Biz&Tech

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